1985年の登場以来、“マウンテントレール”のコンセプトに特化していながらも、扱いやすい入門モデルとしてロングセラーとなったヤマハ『セロー』シリーズ。 キックからセルスターターへ、ドラムブレーキからディスクブレーキへ、キャブレターからフューエルインジェクションへ。テクノロジーの進化と時代の要請に合わせてマイナーチェンジを繰り返してきたが、そのコンセプトは変わることなく32年の歴史を紡いできた。 ◆女性たちからも支持される理由 実は、筆者もセローを所有していたことがある。子どもができたという友人から安価で譲り受けたのだ。スポーツバイクにばかり乗っていたわたしは、高速道路でこそセローのギアレシオに戸惑ったが、ダート路面で本領発揮するセローにしばらく夢中になった。 初めて成功したアクセルターンはセローでだったし、初めてスタンディングスティルができたのもセローだった。なにより、身長161cmだが足