身勝手な犯行が奪ったものは、あまりにも大きかった。7月18日、凄惨な放火事件に見舞われた「京都アニメーション」(京都市伏見区)は、世界的な知名度を誇るアニメ会社だった。アニメジャーナリストの渡辺由美子氏が語る。 【写真】献花台のメッセージが涙を誘う 「放火被害に遭ったのは、制作現場の中枢である第一スタジオでした。アニメ制作において、作画を国内外の下請会社に発注することは多いですが、京アニはそれを良しとせず、監督、演出、作画など精鋭のクリエイターをこのスタジオに集結させ、社内の連携を密にすることで高いクオリティの作品を生み出してきました。そうした独自の環境、優秀なアニメーターの命が失われたことが残念でなりません」