わざわざ大学まで行って日本文学を勉強する意味はあるのか!?――これは小説や言葉が好きな人でも躊躇することではないでしょうか。しかし日本近代文学という、比較的アプローチしやすい分野を通すことで見えるものが数多くあります。「田舎から出たい……!」という自身のきっかけから東日本大震災まで、文学を通して見つめてきた位田先生にお話を聞きました。(聞き手・構成/住本麻子) ――位田先生のご専門を教えてください。 専門は日本近代文学です。横光利一という、1920年代から40年代にかけて活躍した作家を中心に研究しています。教科書などで『蠅』という作品を読んだことのある高校生も多いかもしれません。 ――高校生のころから日本文学に興味があったんですか? 教科書で小説を読む程度でした。大学の学部時代は商学部にいましたし、日本文学を専攻したのは大学院からです。 横光利一 ――なぜ商学部から文学へ変更したのでしょう
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