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女の都 - 粉川哲夫『シネマ・ポリティカ』
30 女の都 この春、都市文化の調査研究でオーストラリアに行ったとき、なにかにつけて思い出されるのが... 30 女の都 この春、都市文化の調査研究でオーストラリアに行ったとき、なにかにつけて思い出されるのが、フェリーニの映画『女の都』(La citta della donna)だった。この映画のことが気になったのは、出発前にやり残した唯一の仕事が『女の都』論だったということもあるが、むしろ、フェミニズムに対しては皮肉な態度でしか臨まないだろうと思っていたフェリーニが、この映画ではフェミニズムに正面からとりくんでいるのをみて、わたしはすっかり彼を見直し、同時にこの映画のタイトルから都市を〈女たちの都市〉(ラ・チッタ・デラ・ドンナ)としてとらえることを考えはじめていたからである。 フェリーニは、『ラ・スタンパ』(一九八〇年三月二十九日号)のインタヴューのなかで、「わたしは女性についての映画しかつくっていない気がする。わたしの存在は、完全に女性次第だと思うし、女性と一緒でないと心が安まらない。・・・
2010/01/31 リンク