先日アクセプトされた論文が公開されました.以下,日本語での解説です. ヒトが言語を学ぶ時,発音や語順の間違いは付き物です.特にちいさな子供はよくいい間違いをします.たとえば「となりのトトロ」に出てくるメイちゃんは,とうもろこしのことを,「とうもころし」といったりします.うちの子供は,チョコレートを「コチョレート」と言ったりしていましたが,いつの間にか正しい音順でお喋りするようになりました.歌を学習する小鳥も,幼い頃は発音が不明瞭だったり,音の順番を間違えたりします.小鳥の脳の研究は1960年代から詳しく調べられ,今ではこのような間違いが学習に必要であり,特定の神経核(LMAN)が活動することで起こることが知られています.たとえば,音も音順もめちゃくちゃな歌を歌っている幼い鳥の「間違いを作る神経回路」を不活性化すると,とつぜん歌が上手になり,音の順番が固定化されます.どうやら幼い鳥は,とっく