日常において私たちは目を使って、相手が行う動作を素早く理解したり学んだりしています。これは、脳の中に他者の動作を認識するためのネットワークが存在するからです。生まれつき目が見えない場合でも、世界的に活躍しているアーティストやアスリートが示すように、相手の動作を理解したり学んだりすることは可能です。では目が見えない場合には、このネットワークはどのように振る舞うのでしょうか?今回、生理学研究所の北田亮助教らの研究グループは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、他者の手に触れてその動作を識別している時の脳の活動を測定しました。その結果、このネットワークの一部は、生まれつき目が見えない人でも、目が見える人と同じように、活動をすることが分かりました。本研究成果は、「なぜ目が見えなくても、相手の手の動作を知ることができたり、学んだりできるのか」という謎を明らかにする一助になります。 <研究の背景
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