iPS細胞を安く効率よく増やす培養液の開発に、慶応大医学部の福田恵一教授(循環器内科)らと味の素が共同で成功した。従来品に比べ費用が10分の1になるという。味の素では2016年度の発売を目指す。 iPS細胞を増やすには細胞の栄養になるアミノ酸や糖、ビタミン、成長因子などを含む培養液が欠かせない。特に心筋梗塞(こうそく)などの治療でiPS細胞から心筋細胞を作って移植することを想定すると、患者1人あたり50~100リットルの培養液が必要。従来品は1人分1千万円程度とみられるが、今回の開発で100万円程度に抑えられるとしている。 細胞を効率よく増やす性能を約3倍にし、製造コストを約3分の1にした。慶応大が必要な栄養成分を細かく分析し、味の素が高価な成分を自社生産するか、代替成分を開発することでコストを減らしたという。(編集委員・浅井文和)
理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)に、化石の研究と発生学の実験を駆使して生物進化の謎を解き明かそうとしている研究者がいる。形態進化研究グループの平沢達矢 研究員だ。2013年には、横隔膜が、これまで提唱されていた舌や体壁の筋肉ではなく、肩の筋肉から進化したという新しいシナリオを発表(図)。化石種も含めた動物の骨格や神経に関する比較解剖学と、胚発生における細胞の移動に関する研究によって得られた成果だ。もともとの専門は古脊椎動物学。発生学の実験手法は2010年にCDBに来てから学んだ。「理研で化石の研究をしているのは、私だけではないでしょうか」と笑う。休日は街に出て服を見て回る。「古着が好き。化石好きの延長かな。古着は、ボタンやジッパーで年代を同定できるんですよ」。そんな平沢研究員の素顔に迫る。 平沢達矢 研究員 発生・再生科学総合研究センター 形態進化研究グループ 1981年、東京
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