1980年代中盤の留学時代、東アジア関連講義は人気絶頂だった。アジアの4頭の竜が新興産業国として浮上してきたのもそうだが、太平洋時代の編隊長格である日本のためだった。講義の助教だった筆者は担当学生らとの1時間の討論のために夜を明かさなければならなかった。30分程度の要約講義で弱点を見せては傲慢なあの米国の秀才らに恥をかかされるのが常だった。緊張した台本暗唱が日本から韓国に移るころある学生が手を挙げた。「韓国はどこにあるんですか?」 えっ? こともなげな思いがけない質問に台本は乱れた。呆然とする韓国人助教を米国の秀才らはおもしろそうに眺めた。彼らに帝国日本はあったが植民地韓国はなかった。 2年前の夏、外国人の大学生と同じテーマで討論する機会があった。全く変わった東アジアの地図を物静かに説明すると欧州から来たとみられる学生が手を挙げた。「韓国は日本より大きい国でしょう?」。えっ?それは本当に聞
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