【モスクワ=緒方賢一】ロシアのプーチン大統領は、26日に承認した新しい軍事ドクトリンで、ウクライナやグルジアなど近隣国で影響力を拡大する北大西洋条約機構(NATO)に対し、一段と強い対抗姿勢を打ち出した。 「勢力圏」とみなす旧ソ連地域では米欧に譲歩しない構えを改めて示した形だ。一方、北極圏での国益確保を新たに主張、勢力圏拡大を目指す考えだ。 軍事ドクトリンでは、〈1〉自国の安全を脅かす危険についての認識〈2〉武力を行使する条件〈3〉核兵器を使用する基準――が特に重要なポイントだ。新ドクトリンでは、〈1〉で大幅な追加などがあったが、〈2〉と〈3〉に大きな変更はなかった。 〈1〉では、「隣接地域での外国軍事会社の活動」と「情報通信技術の軍事利用」、「隣接地域でロシアの利益を脅かす体制の樹立」などを新たな軍事上の危険として加えた。 隣接地域はウクライナを念頭に置いている。ウクライナでは2月、親ロ