ブックマーク / z99.hatenablog.com (10)

  • 見えるんです問題 - 幻想第一

    沖縄調査体験通じ生命の神秘に迫る 学者マンガ家・都留泰作さん 次第に調査地の生活に慣れ、「その環境特有の統覚習慣」を人類学者が身に着けていくプロセス・メカニズムが、詳細に説明されることはない。これまで私はこのことを事あるごとに問題視してきた。 しかし、最近は、生活すること自体が、既にそれそのものなのではないかと考えている。 たとえば、ある集団で生活していくにつれ、その集団で共有されている独得のジャーゴンやイディオムが自然に口をつくようになった時、あるいは、その集団において是とされる行為や活動に、ことさら違和感を感じなくなった時、または、周囲の人間による「美人の特定」にある一定の理解を示すことができるようになった時、調査者の「統覚習慣」すなわち「世界の見え方」は、その場特有のそれに近いものに更新されたということができる。ファブレ=サーダや、保苅さんや、石井先生の身の上に生じた変化も、これらの

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  • 芸術とマルチチュード - 幻想第一

    昨日は東大でのイベント終了後、歩いて芸大に移動し、以下のシンポジウムに参加した。 身体と医療のポイエーシス ブランケンブルクや宮古島の巫病が言及された時には、やや好奇心が刺激された。 しかし、それらは言及されただけのような印象を受けた。辞書的な知識が並べ立てられるばかりで、それら知識の断片が有機的に結び付けられてひとつの結論に結実していく気配が一向に感じられなかった。 このような議論のスタイルに私は耐え切れない。それに、彼らが何をしたいのか私にはよく分からなかった。議論をする際には、わざと極端なことを述べたり、あらかじめ具体的な問いを掲げたりすることによって、議論に対立点を生じさせたりしたほうがよいのではないか? 輪郭がおぼろげなままの議論を、ずるずる見せられるのはつらい。 以上のことから、「これ以上ここにいるのは時間の無駄」と判断した私は、すぐにその場を去った。 その後、中央棟のC会場で

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  • 物語と事実とリアルと沖縄 - 幻想第一

    の軍事的責任要求 沖縄返還で米大統領、佐藤首相に 首相は中国の核武装に言及し「沖縄の(米軍)基地をなくすことが考えられないのはもちろんだ」と“基地付き返還”容認を表明。日は「米国の核の傘の下に安全を保障されている」との認識を明確にし、基地問題などで「国民を教育する」と述べた。 これに対し、大統領は具体的な返還時期については触れずに、日の軍事力増強を「歓迎する」と表明。極東地域の安全保障面での負担について「自国以外のすべての者も防衛しているのではないということに、米国民の一部は幻滅を感じつつある」と指摘した。 その上で「日が経済その他で責任を引き受けるならこの問題に取り組むことができる」と述べ、返還交渉の前提として軍事、経済協力分野での日の責任分担明確化が必要との認識を示した。 日*1の安全は沖縄の米軍基地によって保障されている。沖縄は、日*2の平和の為に奉げられた生贄である

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  • 自己責任のススメ - 幻想第一

    「自己責任」と言いさえすれば、個人に降りかかる全ての災難を、当の個人のみの責任に帰すことができ、その災難について他人は一切責任を問われなくてすむのならば、自己責任という言葉は、とても便利な言葉である。 上記のような意味におけるこの言葉の使用は、既に日国内において、広く認められているようだから、私もどんどん使っていきたい。 例えば、いじめに関して、「いじめられる側にも、いじめを誘発する原因がある。自己責任だ。」と述べる人を見かけたら、即座にそいつの顔面を殴り、出血する鼻を両手で押さえながら膝から崩れ落ちるその人を上から見下ろしつつ、次のように言おう。 「お前は顔を鍛えていない。だから鼻血が出るのだ。お前の反射神経は鈍い。だから俺の突きをよけきれないのだ。自己責任だ。俺はまったく悪くない。日頃から体を鍛えていないお前が悪い。日頃から反射神経を鍛えていないお前が悪い。」 野宿者について、「あい

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    t-hirosaka
    t-hirosaka 2007/07/26
    「お前は顔を鍛えていない。}
  • パワーブレンド - 幻想第一

    様々な人から、一度はそこに行くことを勧められていたので、会社帰りに南千住で途中下車した。しばらく通りをふらふらとさまよう。 「あの〜道をお尋ねしたいんですが、この近所に、催眠術を使うたこ焼き屋さんをご存知ですか?」 酒屋の親父はすぐに教えてくれた。 「ああ。あの変なたこ焼き屋ね。ほら、あそこに松竹って店があるだろう。あそこの左に道があるから、そこをまっすぐ行って右。」 たこ焼きは8個で350円。既に各種メディアで取り上げられているらしく、店内の壁にはモー娘やカトゥーン?とかいうジャニーズ系の写真入り記事が張られている。 店には、親子連れや高校生たちが、次々に寄っていく。結構人気のお店のようだ。 ◆ 催眠術でたこ焼きの味が変わる。特に不思議はことではない。毎日毎日、偽薬で症状が(ある程度)改善してしまう現象を目の当たりにしている私にとって、たこ焼きの味が言葉で変わることぐらい、不思議の範疇に

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  • 満員電車に乗るたびに - 幻想第一

    私は満員電車が嫌いだ。しかし3年も乗り続けていると、単に嫌いというわけではなくなった。 満員電車に乗るたびに浮かぶ疑問は、「なぜこんなにも人が次から次へと乗ってくるのか」という疑問だ。おそらく、会社の始業時間が9時に設定されていることが、満員電車が成立する要因の一つだと考えられる。8時過ぎの車両が一番込むのは、そのような理由からだろう。 駅員は、その事情を知っているからか、無常な人数制限をせずに、ひたすら客を車両に押し込んであげようとしているように思える。 人々は凶悪で邪悪で邪だから、次から次へ電車に乗り込むのではない。事情があるのだ。 一昨日の電車では、前後左右から人に押しつぶされた女性が気絶して、車両の床に座り込んでしまった。しかし、周囲の皆でその女性を引き上げて、彼女が降りたがっていた駅で彼女が降りられるよう促した。客同士が喧嘩を始めてしまい、車両全体が殺伐とした雰囲気に陥ることも多

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  • アコークロー - 幻想第一

    下記の映画予告を見て、ふと昔のことを思い出した。 http://aco-crow.com/ 私が小学校3年生の頃。 近所の森を徘徊することを趣味としていた私は、ある日、年のころ50から60代の男性に出会った。気絶しそうなほど美しく激しい夕暮れ。木々の緑が次第に漆黒へと変わっていく。そんな時間帯に、である。 お拝所(おはいしょ)あるいは御願(うがん)と呼ばれる石造りの建築物に、その頃から並々ならぬ興味を抱いていた私は、森に入ってはそれらを眺め、その場に立ち込める妖しい雰囲気を、味わうことが好きであった*1。 「えーひゃあ! まじむん*2がでるよ!」とその男性は怒鳴った。 その日の私は、2人の友人と一緒だった。私は「おっさんは嘘を付いていない」と判断し、「すいません。帰ります。」と謝り、すぐさまその場から去ろうとした。 そんな私に対して、他の友人たちは、「えー!おまえなにびびってるわけ?」と不

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  • 年始挨拶と帰省報告 - 幻想第一

    明けましておめでとうございます。 日16時頃、沖縄から東京へ戻りました! 沖縄の実家では、事・ラジオ・漫画テレビ・散歩・お喋りなどを楽しみました。東京では滅多に触れることのないものに触れることができ*1、非常に有意義な正月を過ごすことができました。特に、K-1や細木数子さんや吉村さんが出てたピラミッドに関する番組などは興味深かったです。 沖縄滞在の合間に、統計学を勉強しておりました。しかし、これがまた、思うように進みません。「高校の頃に数学Cまでちゃんと勉強していればよかった(涙)」とやや後悔です。「数学Cなども含めて、今から勉強し直してやる!」と意気込んだ新年でした。年度は、ますます格的に統計学へ埋没していく所存でございます。 挨拶がだいぶ遅れてしまいました。 今年も、思い込みの激しい重森に愛のある突っ込みを、どうぞ宜しくお願い致します。 今回の帰省中に脳をめぐった言葉たち 漫

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    t-hirosaka
    t-hirosaka 2007/01/17
    漫才師とその技術─細木数子攻略法
  • プロジェクト5・アートと民族誌 - 幻想第一

    今日はこれを見に行きます。 「プロジェクト5・アートと民族誌」 会場は、家から歩いて約5分。 感想 ヲダさんが熱かった。見習いたいと思う。 どこがどういう風に熱かったのか? ヲダさん曰く、「アートは、アラート(=警報)である。」 ヲダさんはひとしきり、ポリティカルアートと呼ばれる一連の作品群について語った。その代表的な芸術家としてバンクシーという人物をヲダさんは取り上げ、彼を現代における物の芸術家として評価した。 そしてヲダさんは、芸大生の作品について次のように述べた。 「もちろんいい作品もありました。しかし、芸大の学生の作品はおとなしすぎる。どうしたんだ!全然警報鳴っていないぞと思いました。自分は、そのこと自体を警報として受け取りました。」 「お。なんか穿ったこと言っているのでは」と思わせるような、やや論理階型を小粋にずらした発言であるが、これは芸大生に対する痛烈な批判だ。芸大生に対す

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  • ネット上に神霊は存在しないというのなら、そのことをちゃんと証明してくれ - 幻想第一

    気になる記事を見かけた。 ネット参拝は是か非か、初詣で前に揺れる神社界 神社庁が、「ネット上に神霊は存在しない」という見解を示したという。 しかし、神社庁はどのようにして「ネット上に神霊は存在しない」ことを証明したのだろう? ネット上で参拝を行う人々の増加により、直接神社に足を運ぶ人の数が減ると、そのことによって賽銭の収益が減る。このことを危惧した神社庁が神霊を利用し、神社を直接参拝するようしむけているだけではないだろうか? もしもそうだとしたら、あまりにも神霊を馬鹿にした態度である。神霊が都合よく利用されているような気がしてならない。 「ネット上に神霊は存在しない」理由を、神社庁が明示できないならば、私は神社庁に、上記のような意図を読み込んでしまう。 どこかでちゃんと「ネット上に神霊は存在しない」ことの証明を神社庁は行っているのだろうか? 行っているのならば、見てみたい。 追

    ネット上に神霊は存在しないというのなら、そのことをちゃんと証明してくれ - 幻想第一
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