初めてあなたと出会ったのは2000年初頭のことでした。私は当時、大阪の芸大生。どこかのお店で、ふと手にしたチラシであなたにひと目惚れし、1人映画館に向かったのを覚えています。今はなきミニシアター、扇町ミュージアムスクエアでした。スクリーンの中で動き始めたあなたは、悶えるほどの可愛さでした。あの歩き方、話し方、倒れ方、そして、ずるい上目遣い……。私はガッチリとハートを掴まれてしまったのです……。というわけで、思い出される10数年前。『relax』や『Olive』を読むようなサブカル女子たちがこぞってミニシアターに足を運び、「ワー! キャー!」いいながらチェブラーシカに夢中になった時代がありました。 そして現在、八王子市夢美術館で開催中の『チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち』展。「正体不明」の「ばったり倒れ屋さん」な生き物、チェブラーシカというキャラクターの知られざる生い立ち。作