病気療養中の米アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)が肝臓移植を終えて、6月下旬復帰した。投資家や顧客は単なる同情心だけでない多くの理由から彼の復帰を歓迎した。 アップルの健康維持にジョブズ氏の存在は欠かせない。これは社会通念だ。 だが元幹部らによると、優れた経営チーム作りに彼が尽力してきたことが正しく評価されていないという。この誤解はジョブズ神話によって一部助長された。従って彼の健康状態を巡る憶測で株価が乱高下したことは行き過ぎだった、と言うのだ。 人材が豊富な経営チーム ジョブズ氏の素晴らしさはデザインセンスと優れたマーケティング、壮大な構想の実行力にある。事実、彼はパソコンや音楽、電話のあり方を変えてしまった。 一方、経営姿勢についてはあまり報道されないものの、彼の気まぐれで短気な性格ばかりが注目されてきた。しかし、彼は各部門で有能な副官を育てたり外部から招いたりして