今年の正倉院展に「白葛箱」が出陳されるそうだ。これは植物のクズの繊維を編んでつくられた繊細な細工物である。 クズと言えば、最近は「緑の怪物」扱いされるほどの繁殖力を誇り、開けた土地をあっと言う間に覆い尽くす。日本どころか海外でも侵略植物扱いされている。 だが、古来よりクズから取り出した繊維で編んだ小箱や鞄物などが作られており、繊細で優美な魅力がある。だから正倉院にも納められているのだろう。今でも葛細工の箱は、宮中祭祀や伊勢神宮の神宝として遷宮には欠かせないという。 私は葛細工と言うと、幻の「水口細工」を思い出す。そして、それが消えた理由を考えると、現代の日本のものづくりにも通じる憂いを感じてしまうのである。 水口細工1滋賀県の甲賀市水口地方では、水口細工として葛で編まれた小箱などが、少なくても江戸初期から作られていた。参勤交代を始めとする東海道を旅する人々のお土産として珍重され、シーボルト
1年遅かった出版7月7日!!酒鬼薔薇聖斗くん32歳の誕生日おめでとう♪(///∇///) 出典:名古屋大女子のTwitterより これは、今年1月に殺人容疑で逮捕された名古屋大の19歳の少女が、事件の5ヶ月前に残した一言である。 ひとを殺すことに強い興味を示していた彼女は、昨年12月に老人を殺害した。逮捕後、高校時代に毒物・タリウムを同級生に飲ませたことや、殺害決行直後に実家そばに放火したことが発覚し再逮捕されている。そんな彼女のTwitterには、「酒鬼薔薇聖斗」以外にも、秋葉原事件の被告など多くの猟奇殺人犯への憧憬が記されている。2005年に起きた女子高校生のタリウムを使った母親殺害未遂事件も真似ているように、彼女は模倣犯でもあった。 そんな彼女が憧れた「酒鬼薔薇聖斗」が、「元少年A」の名で18年前の神戸連続児童殺傷事件についての手記『絶歌』を上梓した。この出版については、書店が販売拒
羽生選手の姿に「感動」の問題点この週末(11/8-9)、スポーツ医学の中核を担う「日本臨床スポーツ医学会」の学術集会が東京で開かれている。脳震盪(のうしんとう)に関する調査研究がいくつも発表され、日本のスポーツ界において、脳震盪への対応が喫緊の課題であることを感じさせてくれる。 まさにその最中に、羽生結弦選手の事故が起きた。それは端的にいうと、(脳震盪であったとすれば)その事後対応は、多くのスポーツドクターが目を疑う光景であったといってよい。 フィギュアスケートのGPシリーズ第3戦。羽生結弦選手は、フリー演技前の練習中に中国の選手と正面衝突し、顔面ごとリンクに倒れていった。羽生選手は、そのままぐったりとリンクに仰向けになった。相手の選手にぶつかった瞬間と,リンクに倒れ込んだ瞬間それぞれに頭部への衝撃があったように見える。脳震盪の症状が疑われる。 なお補足までに言っておくと、「脳震盪」とは、
盲導犬は、視覚に障害を持つ人の目となり、共に歩むパートナーだ。日本で育成された最初の盲導犬『チャンピイ』が誕生したのは、1957年の夏のこと。以来、活躍の場を広げ、全国の実働数は今や1000頭を超えたとされている。 しかし、国産盲導犬第1号が歩み始めてから57年経った今も、世間一般の理解は十分とは言えない状況だ。歩行中の嫌がらせ行為や育成団体へのストーカー的な苦情電話が後を絶たない。一部の使用者や育成団体関係者の口からは、「近年、逆に誤解や色眼鏡で視覚障害者と盲導犬を見る人が増えている」という言葉も出るほどだ。 この夏、それを裏付けるような事件があった。人が「見えない」、犬が「抵抗しない」ことにつけ込んだ何者かにアイメイト(盲導犬)が刺され、けがを負わされたのだ。 まず、事件の概要から追ってみよう。被害に遭ったのは、埼玉県の全盲の男性(61)とアイメイトの『オスカー』だ。国産盲導犬第1号『
先日の「HAPPY福島版」に関する記事は大きな反響をいただき、たくさんの方にツイートやシェアをしていただいた。 ファレルの「HAPPY」福島版を作ってわかった、地域コンテンツの新たな可能性 この記事でも触れたが、このHAPPY福島版を作ったきっけの一つは、例の「美味しんぼ問題」だった。 あのとき町や県から抗議文なども出されたが、そのわりに私のまわりの福島の人たちは「またか」という感じであまり話題にもされてなかったように思う。 でも、私自身は憤りを感じ、もやもやしていた。 そのもやもやの理由を、福島市出身の弁護士石森 雄一郎氏が昨日の記事でうまく表現してくれていたので引用したい。 美味しんぼ「鼻血問題」 福島出身の弁護士はどう見たか? 問題となった『美味しんぼ』の回を読んで、私が率直に思ったのは、『こんなに簡単に結論が出せるはずがない』ということです。作中の『意見内容』が問題なのではなく、一
東京地方裁判所片山祐輔氏を巡る刑事手続きでは、異例なことが多い。被告人自身が1時間にわたって冒頭陳述を行うというのも、かなり珍しいのではないか。冒頭手続きの中で被告人が長めの意見を述べることはあるが、私はこのような被告人冒頭陳述というのは初めて聞いた。 2月12日に行われた初公判。21ページに及ぶ被告人の冒陳では、検察側の訴追に対して、片山氏自身が一通りの回答をしている。よく覚えていることと曖昧なこと、あったこと、ありえること、ないことの違いを明確にしつつ、かけられた疑惑に丁寧に答えている。それは、どちらかというと「主張」と言うより、「説明」と呼ぶのがふさわしいように思えた。 ウイルスを作成したとされる時期に何をしていたかたとえば、検察側は、片山氏は一昨年6月から、職場PCで仕事はせずに遠隔操作ウイルスiesys.exeの開発を始めた、と主張している。片山氏も、この時期はスランプで仕事はほ
「真犯人」からメディアなどに送られたメールは、全部で4通あるが、そのうち2通目の「自殺予告メール」に添付されていた写真は、iPhone3GSで撮影されていた。弁護人によれば、起訴されている片山祐輔氏が所持していたのは、富士通製のスマートフォンで、これまでiPhoneは使ったことがない、という。 写真はどうやって撮ったのか 「自殺予告メール」に添付された写真このメールが発信されたのは、昨年11月13日午後11時54分に発信された。次のような短い本文に、kubitsuri_rope.jpgというファイル名で右にある写真が添付されていた。 警視庁捜査分析センターが解析したところ、Exif情報から、撮影機種はiPhone3GSでiOSバージョン3.1.2もしくは3.1以前のものとみられる、という。 iPhone3gs片山氏が、当時iPhoneを所持していたという証拠は、今のところ出ていないようだ。
150円の激安Tシャツ1ポンド(150円)の激安Tシャツをつくるためバングラデシュの縫製工場崩落事故で400人以上が亡くなった。イギリスではこの工場に製品を発注していた激安ブランド「プライマーク(Primark)」に批判が集まっている。 プライマークがどれだけ安いかというと、ジーンズ5ポンド(750円)、スーツ25ポンド(3750円)、ハンドバッグ8ポンド(1200円)。ちなみに、ユニクロはドライカラーTシャツ390円、ステテコ・リラコ690円、コットンブランタンクトップが1290円。 プライマークとユニクロの2社を比較しただけでも衣料ブランドの激安競争がうかがえる。欧米衣料ブランドの主な縫製発注先が中国と、今回、工場崩落事故があったバングラデシュなのだ。ユニクロを展開するファーストリテイリングも同国に進出している。 崩落現場で出産現地からの報道によると、バングラデシュの首都ダッカ近郊で先
犯人が送った写真まずは、この写真を見ていただきたい。 これは、PC遠隔操作事件の「真犯人」が1月5日未明に報道機関などに送ってきた挑発的なメールに示されたクイズを解いて出てきた映像。「真犯人」は、この猫の首輪に、遠隔操作ウイルスのデータを保存した記憶媒体をつけた、としていた。 マスメディアでも、何度も報じられたこの写真だが、注目していただきたいのは、首輪の状態。折り返しの部分から、裏返しの状態で首にまかれていることが分かる。 犯人が使ったのと同じ首輪。小型犬用で暗がりでステッチが光るのが特徴ちなみに、この首輪と同じ物はこちら(右の写真)。裏側に同じ大きさの記憶媒体をつけて撮ってみた。写真の色調で若干現物の方が色が薄く見えるかもしれないが、留め具やステッチの状況などから、同じものと分かっていただけるだろう。犯人の挑発メールの首輪が裏返しに装着されていることは、左側留め具の先の折り返し部分を見
4人を誤認逮捕し、うち2人から虚偽の自白を引き出したことが明らかになっているPC遠隔操作事件。威力業務妨害容疑で逮捕された片山祐輔氏は関与を否認している。当初は、事件と片山氏を結びつける決定的な証拠があると報じられ、警察は絶対的な自信を持っているように見えたが、その後も160人もの捜査員を動員して証拠集めを続けるなど、苦労している状況も伝わってくる。 片山容疑者の弁護人となったのは、足利事件で菅家利和さんの無実を証明するなど、刑事事件の経験豊富な佐藤博史弁護士だ。佐藤弁護士に、2月19日時点での弁護人としての考えや主張を聞いた。 【弁護人となるいきいさつ】ーー佐藤先生がなぜ弁護人に? 報道で彼の逮捕を知った時には、他の方と同じように、警察がこれだけの発表をしたのだし、まず間違いないのだろう、ただ本人は否認しているんだな、と思っただけでした。彼が当番弁護士を要請し、その時にたまたま当たったの
今月23日、アップルは業績発表を控えている。北米での報道では変わらずiPhone、iPadの売上げ好調が伝えられているが、日本ではなぜかiPhoneの売上げ不振、台湾メーカーによるiPadシェア逆転の報道が相次いだ。発端は日本経済新聞によるiPhone 5減産の報道(1月14日付)。 iPhone 5ディスプレイの発注が当初計画の6500万台から半減したことから、iPhone 5の販売が不調と結論付けた(「液晶大手、iPhone用パネル減産 販売伸び悩み 」)。この記事はウォールストリートジャーナルによって引用され、世界中に衝撃的なニュースとして伝搬したのは記憶に新しい。 しかし、発売以来の好調さが年末商戦で目立っていたiPhone 5が、急に販売不調になるものだろうか?という違和感を即座に感じたのは、筆者だけではないだろう。 実はアップル製品に関する不思議な統計値は、iPadの市場占有率
ネトウヨとそっくりな“ネトサヨ” 昨年末からネットで不穏な“陰謀論”が散見される。それは、昨年12月に行われた総選挙を「不正選挙」とする内容だ。 そう主張するのは、脱原発派の面々である。具体的には、脱原発を旗印に結集した日本未来の党支持者たちだ。先の選挙で未来の党が惨憺たる結果に終わり、結果「成田離婚」のごとく解党の道を辿ったのは周知のとおりだが、その選挙結果に納得できない支持者たちが年末から「不正選挙」だと主張している。 彼らが挙げる「不正選挙」の根拠はさまざまだ。「開票システムを請け負っているのは原発関連会社」、「創価学会・統一教会・幸福の科学」等々。そのうち宇宙人説も飛び出しそうな勢いだ。なお、このときマスコミ(や電通)は、その「不正選挙」の片棒を担ぐ存在と認識され、「マスゴミ」と呼ばれて非難される。 そんな彼らが根拠とするのは、ネットに漂う信頼性の低い情報群だ。しばしば彼らは言う。
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