「久しぶりにここまでグダグダな公判を見ました……。よく言われる『公判維持できていない』審理というのは、こういうことを言うのかと」 司法担当記者がこう感想を漏らすのは、11月19日に大阪高裁で行なわれた、元タレントの羽賀研二と元ボクシング世界王者の渡辺二郎両被告の控訴審第一回審理である。羽賀といえば、2007年6月に知人の会社社長Y氏の債権4億円あまりを1,000万円でムリヤリ和解させたとして、恐喝容疑で逮捕(起訴は恐喝未遂)。その後、Y氏に医療関連会社W社の未公開株(元値40万円)を3倍の120万円で売ったことにより、詐欺罪で追起訴されている。だが、周知の通り、08年11月28日の地裁判決で「無罪」を勝ち取った。 その後、検察側は控訴を行なったが、併せて今年3月、大阪地検は一審で争点となった、40万円という株の元値をY氏が知っていたか否かについて、「知っていた」と、羽賀に有利な証言を行なっ