進化心理学への批判記事があるというので楽しみにしてたけど、なんか物足りない。進化論特集なのに紹介記事でなく批判記事ってところにどんな意図があるのかはよく分からないが、そこはとりあえず脇に置く。 この記事の著者は、進化心理学にも科学的に慎重な研究もあるとしながらも、一般に流行ったものに対してはポップ進化心理学と茶化した呼び方をしていたのだが、その文献表の中には(デヴィット・バスなどに混じって)ピンカーやトゥービー&コスミデスの(90年代の)有名な著作が挙げられていて、近年における進化心理学の進展に批判的だった私でさえ違和感があった。同じピンカーならもっとひどいのがあるだろうし(残念ながら"The Blank Slate"は褒められたものではない)、だいたい"The Adapted Mind"が駄目なら進化心理学の根幹が駄目になるんじゃないのか。でも私から見ても、著者はこうした正統派の進化心理