齢40を過ぎてから、現実路線に転換し、さらに成功したことだ。 王道パターンと言えば、 始めは、現実・現場的な路線で修行して下地を固めて、 実力をつけて、作家主義的な路線に進出する。 押井、幾原、原と言った面々や 最近で言えば、あおきえい、長井龍雪、そして山本寛もそのパターンだと思う。 あるいは古くは富野監督の名前もあがるだろう。 もちろん、最初から個性バリバリだった出崎さん・庵野さん・河森さんのような人もいる。 しかし、個性→現実で成功となるとなかなか思いつかない。 なぜかといえば、そういう方向転換をすると、大抵は凡百に埋もれてしまうからだ。 しかも、40も半ばというところからの方向転換である。 新房監督の転換期は、 明らかに「コゼット」「月詠」「なのは」と監督作三作品が乱立した2004年にあり、 作家性を前面に出し、ほぼ妥協せずに作ったであろうコゼットは商業的に惨敗し、 月詠・なのははヒ