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ブックマーク / akihitok.typepad.jp (31)

  • クラウドの中の革命

    アフリカ諸国の政治的騒乱において、ソーシャルメディアはどの程度の役割を果たしているのか。(残念ながら)混乱が一向に収まる気配を見せないこともあり、議論が続いています。 ある人は「ソーシャルメディアなど道具に過ぎない。これまでも地下出版などのメディアが革命を支援してきたのだから、ことさら強調するのはおかしい」と主張します。僕もこの意見に近い立場で、やはり「ソーシャルメディアが革命を起こした」というのは言い過ぎでしょう。人々が実際に抱いている不満や、起こした行動の方がより重要な役割を果たしているはずです。 ただツールとしてのソーシャルメディアを見たとき、これまでの「革命支援メディア」にはなかった、ユニークな特徴がいくつかあります。誰もが参加できるという点、文字通り「ソーシャル」なつながりをリアルタイムで持つことができる点、現場だけでなく全世界に向けて情報発信できる点など。こうした特徴は、これ

  • 【訂正あり】「学ぶ」には詰め込みよりもテストが効果的

    なかなか気になる研究結果です。何となく感じていた……という方も多いかもしれませんが、何かを学ぶための勉強法を比較した場合、テストを受けるのが最も効果的であるとのこと: ■ To Really Learn, Quit Studying and Take a Test (New York Times) (※1月26日訂正:リンクが誤っておりましたので、修正しました。ご指摘ありがとうございます!) パデュー大学の研究者らが行った研究結果について。それによると、被験者(大学の学生)にある文章を読んでもらい、1週間後にその内容を思い出してもらうという実験を行ったところ、①文章を読んだ後で内容を思い出すテストを実施する、②何度も文章を読み返して頭に詰め込む、③読んだ文章を図形でまとめ直す、の3つのグループのうち、①のテストを実施したグループが最も成績が良く、他のグループよりも覚えている量が50%多かっ

    t_ommy
    t_ommy 2011/01/24
  • 軍隊と情報洪水と「マルチタスク世代」

    軍隊も「情報洪水」に悩まされている――「情報戦」などという言葉もあるくらいですから、考えてみれば当然の話なのですが。それでは実際に軍隊がどのような状況に直面しているのか、New York Times紙で興味深いレポートが掲載されています: ■ In New Military, Data Overload Can Be Deadly (New York Times) まずは、最新の情報テクノロジーを駆使する兵士の姿がどんなものか。具体的なイメージを見てみましょう: At the Langley center, officially called Distributed Common Ground System-1, heavy multitasking is a daily routine for people like Josh, a 25-year-old first lieutenan

  • ハッシュタグ「#LessAmbitiousMovies」をブレイクさせたものは何か?

    これもちょっと面白いデータの話。10日ほど前、英語圏で"#LessAmbitiousMovies"というハッシュタグが大爆発(つまりこのタグ付きのツイートが大量投稿されたわけですね)していたのですが、それに関する統計データがTwitterから公開されています: ■ The science of the hashtag (Twitter Media) そもそもこの"#LessAmbitiousMovies"が何か?という話ですが、要は大喜利のような遊びだったと理解すれば早いと思います。ハッシュタグをそのまま読めば"less ambitious movies"、つまり「野心の少ない映画=やる気のない映画」ということで、既存の映画のタイトルを少し変えて「こんな映画ねーよw」と笑おうという趣旨。 例えばこんな感じです: 『12人の怒れる(angry)男』をもじって、『12人の腹減る(hungry)

    ハッシュタグ「#LessAmbitiousMovies」をブレイクさせたものは何か?
  • プログレスバーに騙される?

    これはちょっと面白い話かも。ダウンロードの進行状況を示す時などに使われる「プログレスバー」という仕組みがありますが、それをどう表示するかによって、「プログレス=進行」の体感速度が大きく変化するそうです: ■ Progress Bar Illusion (Swissmiss) 百聞は一見にしかず。このビデオを見れば一目瞭然でしょう: どうですか?確かに動きがある方が、ダウンロードが進んでいるように感じられますよね……。このちょっとした仕掛け、ユーザーを騙すものとも、逆に待ち時間のストレスを減らすものとも捉えられますが、いかがでしょうか?

  • Robin Dunbar、「ダンバー数」の存在をソーシャルメディア上でも主張

    ダンバー数という概念があります。最近ソーシャルメディアを語る際に引用されることがあるので、耳にしたことがある方も多いと思いますが、以前書いたエントリから引用してみましょう: ■ Twitter の Dunbar's Number (シロクマ日報) Dunbar's number, which is 150, represents a theorized cognitive limit to the number of individuals with whom any one person can maintain stable social relationships, the kind of relationships that go with knowing who each person is and how each person relates socially to ever

  • 妻が Twitter 上で脅迫を受けて、アカウントを削除した件

    個人的な話で恐縮ですが、怒りと悔しさで書かずにはいられません。この先、読んで楽しい気分になる文章が続く確率は0%ですので、申し訳ありませんが嫌な気分になりたくないという方はここで読むのをお止め下さい。 ***** 以前もこのブログで書きましたが、僕のTwitter を始め、フォロワーが100人を超えるぐらいにまでなってきたところでした。人も「楽しさが分かってきた」ということで、順調に進んでいたのですが……今日の夜、脅迫状めいたDMを数通受信。不気味なので、アカウントごと削除するという結果になってしまいました。個人的には徹底抗戦したかったのですが、は非IT系の一般人で、僕のように短気でもないので「大事にしたくない」という結論に。 ご存知のように、Twitter のDMは自分をフォローしている相手にしか送れません。そこでに脅迫文を送った相手は何をしたかというと、わざわざ捨てアカウン

  • パワーポイント・カラオケ

    ネタです。いや、パワーポイントというと何かと邪悪な存在として糾弾されるものですが、それをこんな楽しい競技(?)にできるとは。海の向こうで「パワーポイント・カラオケ2009」なるコンテストが開催されています(via. swissmiss): ■ PPTK - PowerPoint Karaoke パワーポイント・カラオケ(PPTK)とは何か。当然ながらパワポで歌を唄おうなどという話ではなく、以下のように解説されています: Imagine this: You have to deliver a PowerPoint presentation about an unfamiliar topic, with slides you’ve never seen, to an audience eager to heckle and laugh at you. If you’re in your und

  • 【書評】『英語らしい発音は、音読でこそ身につく。』

    東京国際ブックフェアの会場で行われた、英語教育研究者の晴山陽一先生の講演に参加してきました。実は昨年『英語ベストセラーの研究』をこのブログで紹介した関係で、晴山先生の新著『英語らしい発音は、音読でこそ身につく。』をアスク出版さんからご献いただいた次第。で、ちょうどブックフェアで講演があるとのことで、ブースにお邪魔してきたというわけです。 いきなり書の問題点から指摘してしまいましょう。それはずばり、「英語らしい発音は、音読でこそ身につく」というタイトル。何だか発音を良くするための教材のように感じられますが、誤解を承知で言えば、発音矯正が目的のではありません。では音読によって何を身につけようとするのかというと、英語の「強弱リズム」。この強弱リズムこそ、発音以上に「英語英語らしく聞こえるようにする」ためのポイントであり、その習得が書の最大の存在意義になります(もちろんその過程で、個々

  • そうだ、政治献金しよう。

    またまた解散・総選挙の日程がウワサされるようになっていますが、なんか悔しくないですか?海の向こうでは若者の力が集まって、オバマ大統領が誕生したというのに。日でも市民が政治を動かした、みたいな話が登場して欲しいのです。 議会制民主主義と大統領制を比べることはできない?ごもっとも。米国みたいなハードコア草の根民主主義国家の方が例外だって?その通り。日政治を語ってたら「プロ市民」に間違われるって?うーん、それは正直怖いんですが。とにかく今回は、いつものように「休日に投票所に行って、一票投じて帰ってくる」だけで終わらせたくないように考えています。 そこで決めました。誰か(※日では政治家個人への献金が原則禁止されているので、正確には政治団体)に政治献金しよっと。金額は……そうだな、ショボイけど1万円。これ以上だとしがないサラリーマンには厳しいし、以下だと献金先探しに気を出さなくなってしまい

  • 文字通り「手作り」な天気予報サイト

    ついでにもう1つ swissmiss で紹介されていたサイトを。こちらが提供するものは、何の変哲もない天気予報なのですが…… ■ Local Weather アクセスすると、上のように世界各地の都市名が並んだ画面が表示されると思います。ご想像の通り、ここで都市を選択するとその天気予報が確認できるわけですね。例えばマドリードをクリックすると: ……ご覧のように、何と紙と電球で表現してくれます。何という手作業っぷり!画面上には予想気温なども表示され、さらに今日だけでなく明日の天気予報も確認できるのですが、基的にはこれだけです。 そしてこちらは、トロントの明日の天気予報。何というか、明らかに雨です。窓が濡れてます。 普通ネット上で情報の見せ方を工夫するというと、やたら画像に凝ってみたり、やたら機能を追加してしまうものですが、こういう方向性は意外性があって良いですね。カミナリとかヒョウとかハリケ

    文字通り「手作り」な天気予報サイト
    t_ommy
    t_ommy 2009/02/28
  • 言葉を映像で定義する、という発想

    内容にまったく無関係ですが、昨日は僕の誕生日でした。今年でようやく、2度目の18歳になります。Twitter 経由で「おめでとう!」の言葉をかけていただいた皆さま、当にありがとうございました!! ***** で題。小ネタなのですが、なかなか美しいサイトの紹介です(via swissmiss): ■ Photographic Dictionary WEB2.0 で流行った機能の1つに「タグ付け」というものがあります。例えば 画像共有サイトの Flickr では、アップロードした画像に「女の子」「クマ」などのタグを付けて分類できるようになっていますが、上記のサイトはちょうどその逆。ある言葉と、イメージが合致する画像を合わせて、その言葉の意味を表そうという「辞書」です。 例えばこちらは、oneiric という単語のページ: 一応、ちゃんと画像の下に英語で意味が記載されているのですが、"one

    言葉を映像で定義する、という発想
  • いまだにイノベーションとか期待しちゃってる大企業を尻目に確実な道を歩むための3冊+1冊

    有名な組織研究者の一人であるスタンフォード大学のジェームス・マーチはこんなことを言っている。「『新しいアイデアだ』と言うのは、『私は無知だ』と言うようなものだし、『これまでにないような効果がある』と言うのは、『私は思い上がっている』と言っているようなものだ」。 (“「ブレークスルー」と言われるアイディアや研究に気をつける”、『事実に基づいた経営―なぜ「当たり前」ができないのか? 』63ページより) ***** 最近は「疑似科学」なんて言葉が普通に使われるようになって、アヤシイ科学はたちまち追いやられてしまう良い環境になっているわけですが、未だに胡散臭い議論が大手を振って歩いている分野があります。それは「経営」。書店の経営書コーナーに行けば、どーでもいい事やてきとーな事を書いたがそれこそ山のようにありますし、新聞や雑誌でもて囃された「経営のカリスマ」が会見で頭を下げる、なんて光景も珍しくあ

  • オンライン・アンケートの5ヵ条

    昨日の Seth Godin's Blog からの引用がウケたので、性懲りもなく再び彼のブログからの引用です: ■ Five tips for better online surveys (Seth Godin's Blog) タイトルの通り、オンライン上でのアンケートをより良いものとするための5ヵ条。特にオンラインアンケートに限った話ではないですし、いくつかはよく指摘される点ですが、ご参考までに簡単に訳しておくと: 全ての質問はコストがかかる(回答者の誠意や善意を費やすという意味で)。無駄な質問はしないこと。「それに回答してもらうことによって何をしたいのか」を念頭に置いて質問を考えるように。 全ての質問は回答者の考えを変える。「どちらの方が嫌いですか?」などという文は、回答者の頭に(後で思考を変えてしまう)種を植え付けるようなものだ。 いつでも中断できるように。例えば20問もの質問がある

  • なぜ日本人は進化論を信じられるのか

    ■ ダーウィンの進化論、米国人で信じているのは40% (AFPBB News) を読んで。別に米国人の知識レベルが低いだとか、日人がその逆だとか言うつもりはなくて、以前読んだセス・ゴディンのエントリを思い出しました: ■ Gravity is just a theory (Seth Godin's Blog) 進化論と重力。どちらも素人にとっては「科学者がそう言っているから」信じられるというレベルの知識ですが、なぜ重力は誰もが受け入れていて、進化論は(少なくとも米国では)そうではないのか。セスはマーケティングの専門家なので、この問題についてもマーケティングの側面から説明を試みています: 1. いまから売り込もうとしている「物語」が、以前から信じられていた「物語」を捨て去らないといけない場合、売り込みは大変になる。 「なぜ多種多様な生物がいるのか」という問題に対し、米国には既に「聖書」とい

  • 「追加機能」の落とし穴

    これは言われてみれば確かに、という話。何かを買おうとしたときに、「この追加機能を付ければ、通常○○なのが××になります」という提案を受けるのは日常茶飯事ですよね。メーカーにしてみれば「これで買ってもらいやすくなるだろう」という思惑があるのでしょうが、追加機能・追加要素があることによって逆に体の魅力が下がってしまうことがあるという研究結果が出たとのこと: ■ We're Not Buying It: Product Add-ons Influence Consumer Judgment (ScienceDaily) 『予想どおりに不合理』でお馴染みのダン・アリエリー教授が、ロンドン・ビジネス・スクールやハーバード・ビジネス・スクールの研究者らと共に Journal of Consumer Research に発表した研究について。デジカメやノートPC、さらにはコーヒーなど、一般的な物品につ

  • 農家と農地のマッチングサービス"Landshare"

    大学生4年生と企業。売り手と買い手。男と女――世の中には様々な「マッチングサービス」がありますが、そこに新しい種類が加わったようです。作物を育てたいけど土地がない、という人と、農業用に土地を貸したいという人を引合わせるためのサービス"Landshare"について: ■ Matching would-be gardeners with arable land (Springwise) 「土地(land)+シェア(share)」というサービス名が全てを語り尽くしていますが、文字通り農家(というほど大げさではなく、個人で園芸を趣味にしている人でもOKですが)と農家をマッチングさせるためのサイト。ちなみに英国のサービスで、現時点では対象もイギリス国内に限定されているようです。ユーザーは「栽培者」「土地所有者」「土地報告者(所有者ではないけれど、空き地を知っているという人)」「ファシリテーター(栽培

    農家と農地のマッチングサービス"Landshare"
  • 無料で似顔絵を

    もう1つ広告ネタで。スウェーデンの首都ストックホルムに、無料で似顔絵を描いてくれるという人が現れたのですが…… ■ World Class Gym (Ad of Da Month.com) 実はこれは広告でしたという話なのですが、欄外に広告が出ていますという(今となっては)ありきたりな話ではなく、ユニークな形で「宣伝」を実現しています。 写真を見ていただければお分かりの通り、お客さんに似せているのは顔の部分だけで、体は全員ムキムキのマッチョ体型になっています。このキャンペーンを手がけた広告主はワールド・クラス・ジムというフィットネスクラブで、要は「鍛えてこんな体になった自分を想像してみて下さい!」というわけですね。さらに似顔絵を描かれた人物は、「いやー、こないだ道ばたで似顔絵描いてもらったらさー」というような話を友人や同僚にするはずですから、クチコミ効果も抜群というわけで。 お客一人ひとり

    無料で似顔絵を
  • Creator's Diary

    気づいたらもう11月、ということで、書店や文房具店には既に手帳&カレンダーコーナーができていてハッとさせられる今日この頃。ネットにも手帳&カレンダー系のネタが増えてきていますが、個人的にコレがすごく気になりました: ■ Spotted in Japan: D-Bros 2009 Creator's Diary (Change Order) プロダクトデザイン・プロジェクト、D-BROS がデザインした手帳"Creator's Diary"です。日発、しかも2008年度版も発売されていたとのことですから、既にご存知の方も多いかもしれませんが。 ご覧のように、蛇腹状に折りたたまれている手帳で、横軸がタイムライン(1日単位)になっています。縦軸は上半分が時間単位のタイムライン、下半分がガントチャートを書き込むためのマス目になっていて…… このようにタスクの全体像と、1日単位のスケジュールが同時

    Creator's Diary
    t_ommy
    t_ommy 2008/11/15
  • iPhone の大成功を誉める前に『なぜビジネス書は間違うのか』

    そりゃスティーブ・ジョブスは結果を出しているし、iPod や iPhone の成功(まだ iPhone が日でどうなるかは予断を許しませんが)は疑うべくもありません。しかし賛美の声ばかり聞かされると、「そんなに凄いのかなぁ」とも思ってしまうわけです(あまのじゃくなので)。もし同じような感覚を抱いている方がいらっしゃったら、『なぜビジネス書は間違うのか』を読まれることをお勧めします。 この、200ページを超える「ビジネス書」なのですが、時間が無い方は全体を読む必要はありません。タイトルにある「なぜビジネス書は間違うのか」のエッセンスを集めた、冒頭の「妄想9ヵ条」を読むだけでも十分。書店で立ち読み……もいいのですが、せっかくなので引用してしまうと: ***** 妄想1 - ハロー効果 ハロー効果とは、企業の全体的な業績を見て、それをもとにその企業の文化やリーダーシップや価値観などを評価する