三菱航空と月面のアナハイム社が共同で開発した”十六試艦上戦闘攻撃機”は、日本海軍で最初に実用化された高高度戦闘機であり、現代に至るまで歴史上では事実上唯一の宇宙戦闘機(Star Fighter)であった。 最初に製作された試作型4機は、当時海軍省直属の喧伝部隊という特異な素性を持つ海軍特殊飛行隊に配備され、本機の持つ優秀な高高度性能により、主に超高空での制空任務に利用された。 卓越した能力を持つ本機であったが、試作型4機の後に計画されていた増加試作機25機の製作は、戦況の逼迫や技術的困難、そして何よりも搭乗員に過度の負担を強いるという、過酷な任務でもある本機の操縦が可能な、頑強且つ熟達した搭乗員が特殊飛行隊員以外には事実上存在しなかったということにより、キャンセルされそのまま終戦を迎えた。 戦後、米は本機に非常に高い関心を示し、実機及び全ての関連資料を本国へ持ち帰り、これが後のジェミニ計画