ちょっと考えてみてください。もし、あなたの会社の重役にこんな人物がいたとしたら、会社はどうなってしまうでしょう? その人物はとにかく責任を負うのを嫌がり、目標を明確にするのを拒み続けます。それでも何か問題が発生して責任を取らされそうになると、あらゆる理屈を使って自分には責任がないことを主張して、いつの間にか責任をうやむやにしてしてしまいます。しかもこの人物は社内政治に長けていて、彼の責任を追求したり、彼に問題を解決する能力と権限があると指摘した人は、左遷されて閑職に回されてしまうので、誰も彼のことを批判できず、その問題はいつまで経っても解決しません。 もしこんな人物が幹部だったら、その会社はお先真っ暗でしょう。 ところが困ったことに、我が国の中央銀行である日本銀行は、こんな人物のような行動を繰り返す組織らしいのです。 今回取り上げる「デフレ不況 日本銀行の大罪」の著者である田中秀臣氏は、長