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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/semi_colon (92)

  • 体細胞クローンにより免疫不全ブタが作られる - 蝉コロン

    科学, 動物農業生物資源研:免疫のないブタできた…新薬研究で活用へ? 毎日jp(毎日新聞)というニュースがあって、どうやって作ったのか興味があって論文を読んでみました。というのもマウス以外の動物では「特定の遺伝子の機能を失わせる」のは難しいのです。マウスだったらES細胞で相同組換えして動物を作ればいいのだけれど、他のは(実質的には)ES細胞がないからね。 雑誌はCell Stem Cell。有名なCellの姉妹誌です。比較的近年に創刊。Cellの姉妹誌にはMolecular CellとかDevelopmental Cellとかあるので「なんかCellが幹細胞関連の雑誌を新しく出すらしい」という情報が出たときは、どんな名前になるのか噂されてたそうです。Stem Cellか?いやでももうStem Cellsという雑誌があるからなあなどと*1。ふたを開けてみたらCell Stem Cellという

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    t_thor 2012/06/15
  • 逃げるゴキブリが目の前から消えるところにヒントを得たロボット - 蝉コロン

    科学, 動物論文:Rapid Inversion: Running Animals and Robots Swing like a Pendulum under Ledges PLoS ONE 7(6): e38003. doi:10.1371/journal.pone.0038003 http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0038003 飛び込み台みたいな板の上を走って行って、そのまま落ちるのかと思いきや、板に後ろ足を引っ掛けて裏っかわへギュイ〜ンと回って去っていく。この全く速度を緩めずに方向転換するワザに捕者(人間)は「あ、消えた!」と思うわけです。 なんかこう、ゴキブリは脚の動きが宙を掻いているようですがヤモリは前肢止まってワー!ってなってますね。どちらも何事もなかったかのように裏を走っ

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    t_thor 2012/06/13
  • 「アトピー慢性化の原因たんぱく質を発見」という報道の論文を読んでみました - 蝉コロン

    科学アトピー性皮膚炎慢性化 原因を解明 NHKニュース個人的な事情でこういう脳天気な見出しには反射的に怒りを覚えるのですが論文は面白かったです。とは言っても基的にはまだマウス実験なので、臨床的にはこれからですケド。 論文:Periostin promotes chronic allergic inflammation in response to Th2 cytokines Miho Masuoka, Hiroshi Shiraishi, Shoichiro Ohta, Shoichi Suzuki, Kazuhiko Arima, Shigehisa Aoki, Shuji Toda, Naoki Inagaki, Yuichi Kurihara, Sayaka Hayashida, Satoshi Takeuchi, Kenta Koike, Junya Ono, Hirokazu

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    t_thor 2012/06/12
  • DNAでもRNAでもない新たな遺伝物質XNAについて - 蝉コロン

    科学遺伝、進化できる物質作製に成功 生命起源や研究に貢献 - 47NEWS(よんななニュース)進化するだなんだ言っていますが、どうなんでしょう。実際の論文はこちら。 Synthetic Genetic Polymers Capable of Heredity and Evolution さて、DNAの構造はこんな感じです。http://en.wikipedia.org/wiki/File:DNA_chemical_structure.svgデオキシリボースという五炭糖(図中オレンジ)がリン酸(図中黄色P)を介して連なっていて、AGCTの塩基が枝みたいに伸びています。二鎖の相補対が点線で結ばれてます。ちなみに図でバックボーンと書かれているように、塩基がなくても縦のリン酸結合の数珠つなぎ自体は壊れない。DNA二鎖だったらそういう塩基のない部分は歯抜けみたいになりabasic siteと呼ば

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    t_thor 2012/04/23
  • ちんこがもげる変ないきもの - 蛸コロン - 蝉コロン

    動物前エントリでは、大事なところがもげる変ないきものとしてパロロというゴカイを紹介しましたが、今回は正真正銘のちんこがもげるといっても過言ではない生き物の話をしたいと思います。にわかには信じられませんが一体どういうことなんでしょうか、詳細は以下から(GIGAZINE風)続きを読む 詳細はイカから。wikipedia:交接腕によると、交接腕(こうせつわん)は頭足類の雄が雌に精子の入った精包を受け渡すために特殊化した腕。陰茎の役割を果たしており、精包を乗せるための溝がある。とあります。受け渡すというのが奥ゆかしくて素敵な感じがしますが、よそで見た記述ではイカはぶっかけ系みたいです。タコが受け渡し系。いずれにしてもこれは間違いなくちんこですね。足(腕)だと思っている物のうち一か二はちんこです。え、二もあるのか。そうか。そういやサメも二あるとか言ってたな。いっぽんでもニンシン。ところでそし

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    t_thor 2012/02/08
  • 大事なところがもげて思い残すことなく喰われる生き物 - 蜘コロン - 蝉コロン

    当ブログではこれまでオスの生殖器がもげる動物というのをいくつか見てきました。 大事なところがもげる変ないきもの - 蝉コロン ちんこがもげる変ないきもの - 蛸コロン - 蝉コロン そしてニューカマーの登場です。パチパチパチパチ 昨年ニュース - 動物 - “去勢”されたクモは戦闘に強い(記事全文) - ナショナルジオグラフィック 公式日語サイトというような知見がありました。東南アジアに住むコガネグモの仲間マラバルジョロウグモモドキNephilengys malabarensisは、交尾(尾じゃないけど)のときにオスの生殖器がもげてしまうのだそうです。もう二度と生えてこない。そしてもげたオスは戦闘能力が上がるらしい。虎だ!虎になるんだ!やけくそになるのかな。ウマだともいでないほうが気が荒いのにね。 上記ナショジオの記事によると"切断された生殖器は75%の確率で、メスの体内に効果的

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    t_thor 2012/02/07
  • 激しい運動後のマッサージが効く仕組み - 蝉コロン

    科学時事ドットコム:マッサージ効果の詳細解明=細胞でミトコンドリア生成−加大学記事の見出し見て「なんか胡散くさい・・」という印象だったけど、論文見てみるとまあそれなりではあるようです(エラそう)。 論文の掲載誌はScience Translational Medicine。これは当ブログではちょくちょく登場する。応用寄りの基礎研究って感じで僕自身が理解しやすい(そして記事にしやすい)雑誌です。 論文;J. D. Crane, D. I. Ogborn, C. Cupido, S. Melov, A. Hubbard, J. M. Bourgeois, M. A. Tarnopolsky, Massage Therapy Attenuates Inflammatory Signaling After Exercise-Induced Muscle Damage. Sci. Transl. M

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    t_thor 2012/02/07
  • 手塚治虫の学位論文を読んだよ - 蝉コロン

    研究者@h_hiraiさん経由で知ったtweet 手塚治虫の博士論文がついに誰でも見られるようになった。ありがとう、インターネット。GINMU: Item 10564/1075 URL 異型精子細胞における膜構造の電子顕微鏡的研究 2012-02-01 22:28:14 via web ということで、いつから読めるようになっていたのかは知らないのですが、眺めて見ました。GINMU: Item 10564/10751960年の奈良医学雑誌 Vol.11 No.5 p.719-735『異形精子細胞における膜構造の電子顕微鏡的研究』というタイトルでタニシの精子を電子顕微鏡で観察したのだそうですよ。ファイル名が「手塚治氏原稿(真).pdf」なのだけれど、(真)ってなんだろ。 透過型電子顕微鏡(TEM*1)は細胞内の超微細構造を観察する手段。サンプルを樹脂に埋めて、この樹脂の重合も季節によって配合を

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    t_thor 2012/02/03
  • 単細胞生物から多細胞生物へたった60日で進化させたぞー!という論文 - 蝉コロン

    科学単細胞生物から多細胞生物になったので、進化の過程でなかなかのビッグイベントだと思うのだけれど、やってみたら結構あっさりいけたよという論文。 Experimental evolution of multicellularity 酵母です。出芽酵母。真核生物で普通は単細胞。それがこんなんになっちゃいました。スノーフレーク状だという。こんなん降ってきたら楽しいね。 どうやったかというと、多細胞になったやつをセレクションする実験系を編み出した。つーかただ液体培養したやつを弱く遠心するだけみたいなんだけど、それで塊になってて重力で早く落ちるやつを選択的に回収、培養を続ける。最初のうちはそれでも単細胞っぽく振る舞うんだけど、それを二ヶ月350世代ほど続けると、みんなお互いくっついたままのになる。10回やってみんなそうなったので、収斂進化とも書かれている。 うーん、どうだろう。血球系の細胞を飼ってい

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    t_thor 2012/01/25
  • 蚊にさされやすい人の皮膚と常在細菌 - 蝉コロン

    科学いやあ、雪降ってましたね。蚊の話題です。 Microbial communities on skin affect humans’ attractiveness to mosquitoes 蚊に刺されやすいとされる人がいます。何が蚊を引きつけているのか。体温だー呼吸(二酸化炭素)だー血液型だー男女差だー毛がモジャモジャだーといろいろ言われていますね。あれ、体温はスタンド能力の話だったかな。まあとにかくこれらの他に汗のニオイというのも蚊の誘引物質であることが言われています。しかし実は汗そのものは無臭で、匂いは皮膚の常在細菌たちがかもし出している。つーことは皮膚の常在細菌の構成によって、蚊が寄って来やすかったり逆に気が付かれなかったりするのではないか。 という研究。PLoS ONE論文。一応おもしろ研究じゃなくてマラリアを媒介するガンビエハマダラカAnopheles gambiae sen

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    t_thor 2012/01/24
  • 地球上で一番仲間はずれな生き物 - 蝉コロン

    生物多様性Zoologger: The most bizarre life story on Earth? - life - 28 April 2010 - New Scientistより。その名はSymbion pandora。 大西洋に住むヨーロッパアカザエビの口器に寄生している無脊椎動物である。有輪動物門なのだけれど、これは一門一属である。他に誰もいない。門というと例えば我々なら脊索動物門なので、これはずいぶん根っこの所で一人ぼっちと言えよう。見た目はこんな感じ。どうですかね。SEM of two feeding stages of Symbion pandora on a Nephrops norvegicus seta; individual on left is in feeding position | EOLspecies Photographer: P. Funch an

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    t_thor 2012/01/20
  • 環境にやさしいハムスター式潜水艦が就航 - 蝉コロン

    動物Hamster-Powered Submarine(HPS)、ハムスターが回し車を回す力をスクリューに伝えるのだ。Hamster Submarineサイトの説明によると回し車と3リットルボトルの組み合わせで総費用57ドル、うちハムスター12ドル。蒸気機関式の潜水艦と違って炉にハムスターを放り込まなくても良いという利点があるそうだ。温室効果ガスの排出も少ないと考えている。なお、最初の航海を終えたこのハムスターは現在現役を退いているという。ツイートする

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    t_thor 2012/01/17
  • 眠っていた遺伝子が目覚め超戦士化するアリ(動画アリ) - 蝉コロン

    科学, 動物Science論文:Ancestral Developmental Potential Facilitates Parallel Evolution in Ants 働きアリと一口に言っても、アリの種類によってかなりとんでもないものもいて(蜜壷アリとか)、アリの進化は凄いものだな、アーリーアダプターだなと思うわけだけれども、今回のは先祖が持っていた兵隊アリの超戦士化能力が復活したりするお話です。 オオズアリ(Pheidole)属というアリの種類では、エサを探すマイナーワーカーと外敵から巣を守るソルジャーの二つのカーストがある。オオズアリ属は現在までに1100種も見つかっていて世界中に生息している多様性に富んだアリである。研究者らがそのうちの1種Pheidole morrisiの野生のやつを観察したところ、ソルジャーの中にデカい、特に頭がデカいやつがいるな*1ということに気がつい

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    t_thor 2012/01/12
  • 過去に取り下げられた「HIVはAIDSの原因でない」論文が別の雑誌で再び現れる - 蝉コロン

    社会http://www.nature.com/news/paper-denying-hiv-aids-link-secures-publication-1.9737 元々は2009年にMedical Hypothesisという学術誌に登場していた。この雑誌はMEDLINEでヒットするけども実は査読が無い(editorの一存で決まる)(ラディカルな意見をどしどしお寄せ下さい)という恐ろしい雑誌で長いこと問題視されていたが、「HIVはAIDSの原因でない」論文が出たことでついにみんなの堪忍袋の緒が切れて、この論文は出版社であるエルゼビアが直々に取り下げ、ちょっと風変わりなeditor-in-cheifはクビになった。ちなみにMedical Hypothesisはその他にもいろいろ論文が過去出ていたのでMedical Hypothesesという雑誌 - 蝉コロンを御覧ください。現在は態勢が刷新

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    t_thor 2012/01/11
  • 蝉コロンの今年を振り返る - 蝉コロン

    お陰様で10000ブクマに到達しました。ありがとうございます。何とか年内に間に合わせようと更新頻度をあげてたのはロマンスの神様しか知らない僕の秘密です。当ブログ開設してからだいたい2年(ちょっと過ぎ)。記事を書いた日数は管理画面によると303だそうです。一日二回更新はカウントされないのかな。 今年の中頃までは、はてなブックマーク数のちょうど100倍くらいがページビュー数(はてなの簡易的なやつ)という相関があったのですが、いつからかpv数の伸びの方が早くなって来ました。twitterはてブ連携+RT経由が増えてきたのが原因なのかなと思っています。 今年ブクマ数が多かったトップ7がヨーグルトに効果はあるのか - 蝉コロンDNAを介さずに100世代以上に渡って遺伝する獲得形質 - 蝉コロンがんの原因ランキングUK2010 - 蝉コロン人間の体毛は何のためにあるのか - 蝉コロン南京虫の最悪な交配

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    t_thor 2011/12/31
  • 不登校の多くは慢性疲労症候群が原因か - 蝉コロン

    医療via ’1 in 100 children may have chronic fatigue syndrome’ - NHS Choices - Health News 慢性疲労症候群(CFS)、原因不明の強い疲労が長期にわたって続く疾患です。気分障害や不安障害とは分けられます。筋痛性脳脊髄炎(ME)とも呼ばれます。ウイルスとの関連も指摘されていたのですが、今年ちょっといろいろあって(当ブログでも取り上げました「疲労ウイルス」の否定 - 蝉コロン)、ウイルス性なのかという点ではコンセンサスが今どうなっているのかよくわかりません。CFSという疾患自体は間違いなく存在します。 オープンアクセス誌BMJ Openの論文:Unidentified Chronic Fatigue Syndrome/myalgic encephalomyelitis (CFS/ME) is a major ca

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    t_thor 2011/12/27
  • クリスマス七面鳥料理について獣医学的研究 - 蝉コロン

    生活Veterinary Recoedという獣医の学術誌です。Investigation of the best suture pattern to close a stuffed Christmas turkey -- Verwilghen et al. 169 (26): 685 -- Veterinary Record クリスマスターキーを閉じるベストな縫合パターンについての研究。 七面鳥料理は普通の丸焼きのイメージだったのですが、北米では詰め物もポピュラーだそうです。詰めた後閉じるわけで、その閉じ方について15の七面鳥を使ったランダム化比較試験を行なっております。調理方法のそれ以外の行程は米国農務省品安全検査局(USDA-FSIS)のガイドラインに従う。 単純連続縫合と、なんか技名が付いている方法(胃とか子宮の縫合で行われるワザ)、LembertCushingUtrechtおよび

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    t_thor 2011/12/26
  • 腸内細菌の変化で食欲が増してメタボリックシンドローム - 蝉コロン

    科学くっ…静まれ、俺の腸内細菌*1たちよ…っ!グアァーー!ムシャムシャムシャという話です。 昨年4月の論文:Metabolic Syndrome and Altered Gut Microbiota in Mice Lacking Toll-Like Receptor 5 , Science 9 April 2010: Vol. 328 no. 5975 pp. 228-231, DOI: 10.1126/science.1179721 TLR(トールライクレセプター)というのがあって、数年前から免疫分野では流行りの一つです。細菌とかウイルスしか持ち得ないような分子構造を認識する。「誰か来たみたいですよ」から始まる抗体と違って始めから病原体に特化しているセンサーと言えるでしょう。種類がいくつかあって、今回はそのうちTLR5の話。こいつは細菌の鞭毛を認識するタイプのスタンド使いです。 遺伝子

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    t_thor 2011/12/22
  • DNAを介さずに100世代以上に渡って遺伝する獲得形質 - 蝉コロン

    科学近年、獲得形質の遺伝の事例がいくつか報告されているのですけれども、その影響はせいぜい数世代(もしくは次世代しか確認してない)だったと思います。最近のNatureハイライト:長寿のエピジェネティックな遺伝(要会員登録かも)では3世代だそうです。クロマチンの変化が初期化しきれないというのは、なんかiPS細胞に元の細胞のエピジェネな痕跡が見つかるようなもので、凄いんだか凄くないんだかはお話の作り方次第じゃないかなとも思うのですが、まあそれは置いといて。 今回紹介する論文は少なくとも100世代は遺伝する獲得形質についてです。筆者らもOur results therefore support the Lamarckian concept of the inheritance of an acquired trait.と言ってます。一体どういうことなのでしょうか、詳細は続きを読むから。 線虫とRN

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    t_thor 2011/12/21
  • ダチョウの大事なところがオッキする仕組みが明らかになる - 蝉コロン

    動物ご想像どおりのあの話なので引き返すなら今のうちです。それにしても各紙報じ過ぎだな。 Mystery of the male ostrich’s erection solved - life - 14 December 2011 - New Scientist BBC Nature - Bloodless erections for big birds, say researchers Ostrich Penis Clears Up Evolutionary Mystery: Scientific American Ostrich penis clears up evolutionary mystery : Nature News & Comment LとRで大違いとして名高いerection。当選ではありません。 論文:The erection mechanism of the rat

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    t_thor 2011/12/16