震災発生から 1 週間。恐怖にかられた多くの友人達は、西日本や南、海外へと脱出した。妹と彼女のボーイフレンドは、アイルランドに住む母からの耳の痛いお説教を聞いて日本での滞在を短縮、2日前に香港へと避難したこともあり、筆者も妊娠中の妻を関西へ移動させようと躍起になっていた。 だが妻は、筆者が東京に残ること、彼女の両親が東京にいること、大阪には誰も知り合いがいないことを理由に関西へ発つのを快く思っていなかった。 妻を見送るため品川駅へ行こうとした途端また大きな余震が発生。ラジオでは福島原発から放射線漏出の可能性が報告され、アイルランド大使館は妊婦は都心から離れるべきだと勧告した。 感情が揺さぶられる妻との涙の別れから心身共に疲れ切り、駅のコーヒーショップへと入った。ユニフォームを着た 4 人のウェイトレスが、「いらっしゃいませ!」と元気よく出迎えてくれ、いつもの通り細やかな気配りとサー