1999年 夏の暑い日、群馬電機株式会社 東京営業所にて営業所員7名に囲まれて、本社商品部設計者3名が次期商品企画について討議を行っていた。 現在の商材はLED表示器が主体で年商6000万円程度を売り上げており、さらなる販促による売上倍増が社長より下された厳命だった。 当時LED表示器は商品として世に出て間もなく、パナソニック、東芝、シャープなど大手企業が市場を抑えており、ネームバリューの低い当社は苦戦を強いられていた。 LED表示器で開拓した店舗向の販路に、表示器以外で何か乗せられるものがないか? 設計部と営業所の両担当の間で何度も討議が繰り返された。 とある日、販促に出ていた営業担当から、一筋の光明がもたらされた。 大手スーパーのA社より現場の困りごととして、 「店舗で使用している販促メッセージを繰り返し再生しているカセットテープレコーダーのテープが伸び、音質の劣化が激しく2ケ月に一度