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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (189)

  • イルカ襲う、つぶらな瞳の無慈悲なアザラシ

    愛らしい表情を見せるハイイロアザラシ。海の人気者が、実際は「情け容赦のない捕者」という証拠が相次いでいる。(Photograph by Brian J. Skerry, National Geographic) 一見、ほのぼのした光景だった。2013年、北海に浮かぶドイツ領ヘルゴラント島。沖で2頭のアザラシがふざけ合っているらしく、そのうち波の下へ潜っていった。間もなく、不気味な赤い色が波間に広がった。2頭が再び水面に現れたとき、大きい方のアザラシがもう一方のアザラシの皮をはぎ、べていたのだ。 「2頭は遊んでいるとばかり思いました」。環境コンサルティング会社「IBLウンヴェルトプランノン」の海洋生物学者セバスチャン・フアマンは振り返る。同氏が撮影した、襲われる若いゼニガタアザラシの写真は、『Journal of Sea Research』誌の2015年3月号に掲載される予定だ。「最初見

    イルカ襲う、つぶらな瞳の無慈悲なアザラシ
  • 南極から月面まで、ナショジオ100年の地図

    地図を校正するドン・イェーガー、ロバート・エリス、チャールズ・スターン(左から右)。1957年当時、地図製作の大半は手作業で行われていた。(Photograph by Bates Littlehales, National Geographic) 1915年に米ナショナル ジオグラフィック協会の地図部門が発足して、今年で100年になる。その地図は、世界最高峰エベレストや南極、海底から、月や火星、太陽まであらゆる物理的存在を網羅してきた。 同部門がこれまでに制作した地図は、ナショナル ジオグラフィック誌の特製付録地図438種類、誌面掲載用地図約3000種類、世界地図10種類、地球儀数十個におよぶ(こうしている間にも、その数は増え続けている)。 ここではそれら膨大な数の地図の中から、歴史的だったものをいくつか紹介しよう。 ソ連崩壊で地名が激変

    南極から月面まで、ナショジオ100年の地図
  • 不思議でふしぎな寄生生物“勝手にベスト5”

    野生生物は厳しい自然界をそれぞれの才覚でなんとか生き抜いているはずなのだが、他の生物に頼って生きているものがいる。そう、寄生生物だ。宿主となる生物の体を住処にし、こっそり栄養を掠めとり、時には重篤な症状をもたらす厄介な寄生生物。これらのなかにはよくよく生態を見ると実に不思議な暮らしぶりをしているものがいる。そこで、『寄生虫の奇妙な世界』(誠文堂新光社)の著者である斉藤勝司さんに、驚きに満ちた生態を持つ寄生生物ベスト5を推してもらった。 カニに寄生するフクロムシ フクロムシは分類学上、フジツボやカメノテに近い生物だが、磯の岩に付着することなく、カニに寄生することが知られている。卵からかえったフクロムシの幼生はすぐに寄生せずに、海中を漂うプランクトンの生活をするが、ケントロゴンと呼ばれる幼生になったメスはカニの体内に侵入。カニの体中に根のような器官を張り巡らせて栄養を吸収する。 カニから栄養

    不思議でふしぎな寄生生物“勝手にベスト5”
  • ナポレオンも撃退した!レモンの博物誌

    あなたはスパイである。今すぐ、母国に秘密のメッセージを送らなければならない。手元にあるのはレモン。さて、どうする? この記事を読んだあなたは幸運だ。敵が偶然この記事を読まない限り、任務を遂行できるのだから。 レモン以外に、玉ねぎのしぼり汁や牛乳、酢、いざとなったら尿でも構わない。これらはすべて、天然の「見えないインク」として機能する。これらの液体で紙にメッセージを書いて乾かせば、加熱しない限り気づかれることはない。「インク」に含まれる成分が紙の繊維と反応し、その紙を炎や電球で加熱するとまっさきに茶色く浮き出るのだ。 見えないインクは、紀元前5世紀には存在していた。ギリシャとペルシャの戦争中、それぞれが見えない書状を交換していたことがわかっている。9世紀のアラブではインクが洗練され、レモン、ビターアップル、オリーブオイル、卵黄を混ぜたものが使われていたようだ。 ルネサンス期のイタリアでは、レ

    ナポレオンも撃退した!レモンの博物誌
  • 第33回 お茶請けに!ご飯の友に!ミャンマーの食べるお茶

    東京・高田馬場の駅前、早稲田通りを挟んだ向かいに黒いビルがある。地上11階建てで、1階と2階にいくつかの飲店が入った雑居ビル「タックイレブン高田馬場」だ。 「このビルにミャンマーの材店があるんです」 そう教えてくれたのは日の大学で経済を学ぶミャンマー人留学生、ピューさん。約1000人の在日ミャンマー人が暮らし、「リトル・ヤンゴン」とも呼ばれている高田馬場界隈。このビルにある材店は、そのミャンマー人たちの胃袋を支えているという。 前回、日ミャンマー・カルチャーセンターを主宰するマヘーマーさんに、ミャンマーのソウルフードであるモヒンガーをつくってもらった。その際、ナマズやバナナの茎など日の普通のスーパーでは見かけない材がいくつもあった。聞けば、近くにミャンマー人が経営するミャンマー材の店があるという。ミャンマー人が日常的にべる材が揃っているというので、これはおもしろそうだと

    第33回 お茶請けに!ご飯の友に!ミャンマーの食べるお茶
  • 第2回 食べ物で顔はこんなに変わる

    彫りは深くて手足が長く、髭などの体毛が濃い、いわばヨーロッパ系の特徴に近い縄文人と、平たい顔で胴長短足、体毛が薄い弥生人。まるで対照的だが、縄文から弥生へと時代が移り変わる中でいったい何が起こったのだろう。 「ここ10~20年の研究ではっきりしたことですが、弥生人は縄文人が進化したのではなく、大陸の北方から渡来してきた人々なのです。だから、最近は渡来系弥生人という呼び方をしています」 そもそも、私たちの祖先であるホモ・サピエンス(新人)は、約20万年前にアフリカで誕生し、6万年前に世界中へと広がり始めた。彼らは立体的でごつい顔をしていて、肌は黒く、暑い土地を長距離移動するために手足が細長かったが、移住した土地の環境に適応して体つき、顔つきが進化していった。初期のサピエンスの特徴をもっともよく留めているのが、環境条件がアフリカと似ているオーストラリアの先住民だという。 約4万年前から東アジア

    第2回 食べ物で顔はこんなに変わる
  • 国際的な絶滅危惧種となったウナギを救う、二つの「劇薬」

    国際自然保護連合(IUCN)が、絶滅の恐れがある野生生物を評価したレッドリストで、ニホンウナギを絶滅危惧種に分類した。3ランクある絶滅危惧種の中で2番目に高い「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」である。 河川や湖沼などウナギの生息地となる環境が失われたことやダムや水力発電所、河口堰などの建設によって川と海を行き来するウナギの回遊が妨げられたことなどがウナギ減少の理由とされるが、なかでもウナギを絶滅近くにまで追い込んだ大きな理由としてIUCNが挙げているのが、乱獲つまりウナギの捕りすぎとべ過ぎだ。 世界のウナギの70~80%を消費しているといわれる日が、ウナギの保全にも最も大きな責任を持っていることを自覚し、ウナギ資源保全の取り組みを強化するきっかけにしなければいけない。 日の親ウナギの漁獲量は1981年の1920トンから2011年の229トンに減り、稚魚のシラスウナギの漁

    国際的な絶滅危惧種となったウナギを救う、二つの「劇薬」
  • ヤバいウナギ―発見されたばかりの無垢な熱帯の新種にも伸びる「魔の手」

    このところしばしば報じられるウナギの危機。それはニホンウナギやヨーロッパウナギにとどまらず、2009年に発見されたばかりの熱帯ウナギの新種にまで及んでいるという。ウナギとしては70年ぶりとなるその新種を発見し、記録として『にょろり旅・ザ・ファイナル』を上梓したウナギひと筋20年以上の研究者、青山潤氏が警鐘を鳴らす。 今、ウナギがヤバいことになっている。すでにニュースなどで報じられている通り、蒲焼きとして馴染み深いあの「鰻」(ニホンウナギ)が絶滅の危機に瀕している。原因として、乱獲や河川環境の悪化、地球規模での環境変動など様々な要因があげられている。これら全てが複雑に絡み合い、今の事態に立ち至ったことに間違いはなかろう。しかし、主要因は何か、どうすれば確実に鰻が増えるのかと問われれば、今のところ誰にもわからないというのが正直な答えだ。20年以上もウナギ一筋に研究を続けてきたはずの私にもわから

    ヤバいウナギ―発見されたばかりの無垢な熱帯の新種にも伸びる「魔の手」
  • その1  緊急激論!“クマムシvs極限環境微生物”

    前回まで:「行きたいんでしょ。JAMSTEC」という奥さんの言葉で心に気付かされた高井研は、1997年の秋、特別研究員としてJAMSTECで働き始める。いよいよ深海探査の日々に突入・・・なのですが、その前にクマムシと微生物との地上最強生物を巡る考察です(というよりケンカを売っている?) 第4話には「JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語」という、いきなり時代を感じさせるタイトルをつけてしまいました。今の若者には、全く訳の分からないタイトルだと思いますが、ワタクシの若かりし頃、「とれんでぃ」や「W浅野」なる古代語とともに黄金時代を謳歌したフジテレビ系でやっていたドラマのタイトル「教師びんびん物語」をぱくったと思って下さい。 そういえば昔のテレビ番組繋がりで思い出しましたが、「教師びんびん物語」の少し後に同じくフジテレビ系でやっていた名物番組に「料理の鉄人」という番組がありました。ワタクシ、