ドイツには豚の生食文化がある。もちろん生肉を食べる習慣は世界各地に見られ、例えばフランスではタルタルステーキといって生の牛肉をみじん切りにして薬味などを混ぜて食べる料理があるし、エチオピアではぶつ切り牛肉をそのまま食べる文化もある。 しかし豚肉の生食はなかなかお目にかかれない。 このドイツの豚肉料理は「メット」と呼ばれている。メットとは脂肪分を含まない豚の挽肉のことで、これをパンに塗り、みじん切りしたタマネギやパセリに塩コショウを振りかけて食すものだ。一体どんな味なのか。実際に食べてみた。 ドイツ、デュッセルドルフ市内にあるビアホールの名店「シューマッハ」。 ここでその「メット」を注文してみた。直径10cmを越えるくらいのパンの上に約2cmの厚さでメットが塗られている。値段は2.2ユーロ(約280円)。生肉といっても挽肉なので、食べる際に噛みにくさのようなものものない。お好みで塩コショウを