『選挙』『精神』などの「観察映画シリーズ」で知られる映画作家、 想田和弘さんによるコラム連載がスタート! ニューヨーク在住の想田さんが日々「観察」する、 社会のこと、日本のこと、そして映画や芸術のこと…。 月1回の連載でお届けします。 第2回 法律が大の苦手な僕が 改憲問題を論じる必要に 迫られる理由 <その2>ベアテさんの遺言 去年の12月30日、ベアテ・シロタ・ゴードンさんが亡くなった。89歳だった。奇しくも、改憲を掲げた安倍自民党が衆院選に大勝した2週間後のことである。 報道によれば、彼女が息を引き取る前に発した最後の言葉は、次のようなものだったという。 「日本国憲法の平和条項と女性の権利(9条と24条)を守って欲しい」 訃報を読みながら、僕はおもわず泣いてしまった。 なぜアメリカ人のベアテさんの遺言が、「日本国憲法を守って欲しい」だったのか?それには理由がある。 ベアテさんは戦争直