非正規雇用や就職難の広がりなどで、学生時代に借りた奨学金を返還できないケースが増えている。日本学生支援機構(以下、支援機構)における未返還額は年々増加し、昨年3月の時点で過去最大の876億円にも達している。 そのため支援機構は、2008年以降の利用者で、3ヵ月以上滞納している人の情報を全国の銀行個人信用情報センターに登録(ブラックリスト化)するなど、回収策を強化している。ブラックリストに載せられると、住宅ローンやクレジットカードなどの審査が通らなくなる可能性もある。 支援機構はこのブラックリスト化について、「利用する際に十分に説明もしているし、同意書も取っている。そもそも同意しなかった人には貸与していない」(支援機構の広報課長・前畑良幸氏)としている。返すべきものを返せなければ、それなりの対応を取らざるを得ない、との苦肉の策であろう。 民間の金融業者であれば、貸した金を返さなければ、それな