阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」 2009年5月15日 [書評]菅原出著『戦争詐欺師』のススメ――21世紀の『おとなしいアメリカ人』 友人の菅原出君が、講談社から『戦争詐欺師』(税+1800円)という、面白いノンフィクションを出した。 私もイラク侵攻直後に『イラク建国』(中公新書)を出したことがあるので一読したが、みなさんにお奨めしたい。彼とはもう10年くらいの付き合いになるだろうか。アムステルダムで修士号をとって帰国後、何かの縁でお会いしたとき、ジョン・フォスターダレスが所属した名門法律事務所サリバン&クロムウェルに小生が感心を持っていると打ち明けたら、その事務所の歴史を書いた本のコピーをいただいた。 へえ、同好の若手がいるもんだ、と感心した。彼の興味は間戦期のアメリカがいかにドイツに投資していたかの研究で、02年に『アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか』(草思社)という本に