子どもと本をつなぐ学校司書を巡っては、フルタイム勤務で業務に専念できる福岡県宇美町のケースがある一方、複数の学校の掛け持ちや、そもそもいないなど学校や自治体によってさまざまだ。小中学校全ては網羅できないものの、小学校を中心とした掛け持ち式を採用する福岡市の学校図書館の姿はどうなっているのだろう。ある小学校をのぞき、図書に関わる教員や司書に話を聞いた。 本、循環せず目立つ古さ 校舎の一角にある図書館。書棚には図鑑や絵本、小説がずらりと並び、どこでも見られる光景だ。ただ、書物に近づくと違和感を覚える。図鑑の端は破れ、背表紙のタイトルは消えて見えない。平和をテーマにした漫画は使い込まれ、カバーの色が真っ白に。裏表紙をめくると、1980~90年代発行の本もあった。 「子どもたちは色あせた本を手に取りません。まるで置物のようです」と担当する教員。休み時間に訪れる子どももまばらという。 教員は専門の講