もちろん、アパレル業に限らずパンデミックによるサプライチェーン混乱が供給制約をもたらし始めている中、国内生産が目下の経営安定につながるという側面はある。しかし、今回報じられている大手アパレル企業の1社は将来的に国内生産比率を現在の1割から5割へ引き上げる方針であるという。 12月15日にBIS(国際決済銀行)が発表した2021年11月時点の円の実質実効為替相場(REER、narrowベース)は約50年前の安値水準に肉薄するものであったが、これに合わせて企業行動も50年前の姿を探ろうとするのはある意味当然なのかもしれない。 すでに「サービス」は「安さ」で輸出増に もっとも、生産コストだけに着目すれば国内のほうが依然高く、国内回帰させることで「注文・生産・納品のプロセスにかかる時間を短縮化して、機会損失を削減」できればコストの差は相殺できるというのが現時点の話であるという。しかし、「海外の賃金