次のような話を聞いたことはあるだろうか? 「要求仕様をまとめる時間がない。すぐにコーディングに取り掛からないと納期には絶対に間に合わない」 このような話(よく聞く話だが)は、個人もしくはチームの考え方や成熟度を測るための重要な手掛かりになる。要求仕様をまとめる時間がないという言葉が出てくるのは実際にはどういうときであり、どのような意味があるのだろうか? 本稿で詳しく見ていこう。 「要求仕様」という単語には多くの定義があり、メソッド、プロセス、方法論、そして専門家ごとにそれぞれ固有の解釈があるようだ。しかし、要求仕様はそのプロジェクトが何を構築し、提供するのかを明確に記述すべきである、との点ではだれも異論はないはずだ。もし上述の話の中にある要求仕様という言葉をこの簡単な定義で置き換えると次のようになる。 「構築および提供すべきものの内容をまとめている時間がない。すぐに……」 このようなことを
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