先週、企業で都市開発事業を考えている人たちとの勉強会があり、私は都市開発の専門家というわけではないのですが、色々おもしろい議論をしました。 その中で気づいたのですが、去年から施さんや柴山さんが『表現者』で紹介し、今年も『表現者クライテリオン』で何度も取り上げられている、D・グッドハート氏の「エニウェアーズ」「サムウェアーズ」という区別は、これからの都市をデザインしていく上でも重要な概念なのではないかと思えます。 簡単におさらいすると、エニウェアーズ(anywheres)というのは全国あるいは全世界の「どこにでも」活躍の場を見出して、華々しい職場を渡り歩いていくような人々のこと。サムウェアーズ(somewheres)というのは対照的に、「どこか」の土地に長く留まって、華々しい仕事はないものの、昔ながらの顔見知りに囲まれたコミュニティのなかで生きていく人のことです。 当然、エニウェアーズのほう
山野を開墾し、都市を築いて、自然災害から暮らしを守る。自然の力をエネルギーに変え、電気・水道・交通・物流・通信のネットワークを地球に張りめぐらせる。 わたしたちの暮らしの営みを見つめると、そこには土木があります。土木は、自然の恵みと脅威のはざまに生きるわたしたちが、豊かで、あたり前の生活を送るために必要な環境をつくりだしてきました。 環境をつくり、それを未来の世代に受け継ぐためには、様々なテクノロジーを駆使する必要があります。高度な計測技術や巨大な建設機械など、非日常的なテクノロジーの躍動なくして、今のわたしたちの日常を維持することはできません。一方、社会に対する人々の思いや、土地に蓄積された歴史も、わたしたちの豊かで、あたり前の生活を実現する上で、重要な手がかりを与えてくれます。しかし、それらを見たり考えたりする機会には、普段なかなか巡り合うことができません。しかも、土木構造物は一旦でき
大きな構造変化の中にある今の日本 時代の変化と地域・社会構造の関係 新しい時代のリーディングシティと首都機能移転 階層型ネットワーク構造から水平型ネットワーク構造へ 構造転換を妨げる様々なミスマッチ 百年の大計として考えるべき国土構造の再編成 新しい国土構造の形成と首都機能移転都市像 戸所 隆氏 高崎経済大学 教授 1948年群馬県前橋市生まれ。1974年立命館大学大学院地理学専攻修了、立命館大学地理学科教授を経て、1996年より郷里の高崎経済大学教授へ。現在、高崎経済大学附属地域政策研究センター所長。文学博士。専門は、都市地理学、商業地理学、国土構造論。 国会等移転審議会専門委員、経済審議会特別委員を歴任し、日本地理学会理事、日本都市学会常任理事、日本地域政策学会常任理事を現在務める。 主著に「都市空間の立体化」、「商業近代化」、「地域政策学入門」「地域主権への市町村合併」など。 今の日
Central shopping streets are classified into two types by their street forms: one is those in which shops face on to a certain trunk street (type A), the other, where shops face a pedestrian street (type B). The difference in street forms between type A and type B influences not only the structure but also the direction of growth of central commercial areas. In this paper, the author discusses the
高崎経済大学地域政策学部教授、文学博士 昭和23(1948)年群馬県生まれ。立命館大学大学院修士課程(地理学専攻)修了後、文学部地理学科助手として同大学に勤務。助教授を経て平成元(1989)年に立命館大学教授に就任。平成8(1996)年より現職。上越市創造行政研究所長も務めている。専門は都市地理学、商業地理学、国土構造論。 経済審議会、国会等移転審議会等の専門委員を歴任。また関西や群馬県を中心に数多くのまちづくりや地域振興計画に携わっている。主な著書に「都市空間の立体化」(日本都市学会賞受賞)、「地域政策学入門」「地域主権への市町村合併」等がある。 「情報革命」による時代の大転換期 新たな国土づくりと地域づくりが必要 日本は今、非常に大きな変革の時代を迎えている。人口増加に支えられた経済成長の時代が終焉し、人口減少というこれまで経験したことのない環境下で経済政策や地域政策を模索していかなけ
新型コロナウイルスの感染拡大によって不動産の世界は激変している。景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『不動産激変 コロナが変えた日本社会』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産の現状と近未来を明らかにする。 都心の巨大オフィスビルは空箱になるのか? そうなれば、企業はどういった行動に走るでしょうか。 オフィスはヘッドクォーター部分だけにして、営業などその他の部門の多くはテレワークにする。それは在宅勤務だけではなく、コワーキング施設やサテライトオフィスなども活用して仕事をどんどん効率化する動きとなるでしょう。業務の指示や研修などもオンライン化が進むことで、立派な本社ビルという存在は次第に空疎なものになってくるでしょう。 さらに今回のコロナ禍は、企業
NCCの拠点形成に向けたまちづくり 本市が目指す将来の姿であるNCCの拠点形成に向けた居住や都市機能の誘導を推進するため、都市全体を見渡した観点から、主に市街化区域を対象にした「立地適正化計画」と、郊外部の「市街化調整区域の整備及び保全の方針」の推進に一体的に取り組んでいます。 ネットワーク型コンパクトシティ 立地適正化計画について 市街化区域において、居住や都市機能を誘導する区域と誘導する都市機能(施設)、誘導するための支援策などを定め、コンパクトなまちづくりを推進していくための計画です。 宇都宮市立地適正化計画 市街地部の地域拠点のイメージ 市街化調整区域の整備及び保全の方針について 市街化調整区域において、地域拠点への生活利便機能(施設)の充実などにより、良好な居住環境を維持・確保していくため、将来の土地利用の方向性や都市計画制度の運用方針を明らかにするものです。 市街化調整区域の整
日本社会は人口減少の時代を迎えています。高度経済成長や車社会の広がりによって、人々は都市部から郊外へと移り居住地域も拡大しました。 しかし、人口が減少していくことで今後、郊外移転の弊害が生まれることが予想されています。その対策として注目されているのがコンパクトシティの構想です。コンパクトシティを推進することで持続可能な社会を作ることができるのか、期待が集まっています。 物件を探す コンパクトシティの背景国立社会保障・人口問題研究所によると、2040年までに日本の人口は16%減少することが予測されています。人が減るなかで、持続可能な都市の姿としてコンパクトシティに注目が集まっています。コンパクトシティとは、郊外に広がった産業や生活機能を一定の範囲内に集中させるという構想です。 近い将来、懸念される課題は地方自治体の財政状況の悪化です。 出生率が下がり少子高齢化も拡大していることで、税金を納め
「コンパクトシティ」の前提には、一定の地域に人口が集中したほうが、行政サービスを効率的に提供できるという「集積の利益」の概念がある。この観点で考えると、コンパクトシティの究極の形は「東京都一極集中」であり、地方創生との矛盾が生じることになる。 地方圏で注目を集める コンパクトシティ 地方圏の自治体の一つの政策志向に「コンパクトシティ」がある。国土交通省がとりまとめた国土整備計画『国土のグランドデザン2050~対流促進型国土の形成~』(2014年)にコンパクトシティの言及がある。例えば、同計画に「人口減少・高齢化が進む中、特に地方都市においては、地域の活力を維持するとともに、医療・福祉・商業等の生活機能を確保し、高齢者が安心して暮らせるよう、地域公共交通と連携して、コンパクトなまちづくりを進めることが重要です」と述べている。 自治体は国に先駆けてコンパクトシティに取り組んできた。先進事例は青
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く