ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (391)

  • 書評 「なぜヒトだけが言語を話せるのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    なぜヒトだけが言葉を話せるのか: コミュニケーションから探る言語の起源と進化 作者:トム・スコット=フィリップス東京大学出版会Amazon 書は認知と文化が専門の認知科学者,心理学者であるトム・スコット=フィリップス*1によるヒトの言語の進化と起源に関する一冊.ヒトの言語の進化的起源については,霊長類などの信号システムとの連続性を前提に,再帰的構造を重視する議論*2が主流だが,書においては,ヒトの言語と霊長類の信号システムとの非連続性を強調し,語用論の重要性を正面から採り上げる独自の議論が説得的に主張されていて,とても興味深い書物になっている.原題は「Speaking Our Minds: Why human communication is different, and how language evolved to make it special」 第1章 コミュニケーションへの2

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  • 書評 「The Parasitic Mind」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The Parasitic Mind: How Infectious Ideas Are Killing Common Sense 作者:Saad, GadRegnery PublishingAmazon 書は進化心理学者ガッド・サードによる一冊.ガッド・サードは消費者心理やマーケティングを進化心理学的に分析考察する業績で知られている.題名は「寄生性の心:どのように感染性のアイデアが常識を殺すのか」という意味であり,一見したところミーム論ののように見える(私としては進化心理学者の書いたミーム論だと思って手にした一冊になる).しかし実際に読んで見るとこれは現在アメリカのアカデミアで一大勢力を振るうウォークプログレシブによるキャンセルカルチャー告発の書であった.アカデミアのキャンセルカルチャーの問題を扱った心理学者がかかわったとしては以前にルキアノフとハイトの「The Coddling

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  • 書評 「進化倫理学入門」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化倫理学入門 作者:スコット・ジェイムズ名古屋大学出版会Amazon 書は道徳哲学者スコット・ジェイムズによる進化的な考え方を取り入れた道徳についての解説書になる.大きく2部構成になっており,第1部ではヒトに道徳があるのは進化的にどう説明されるのか,道徳はどのように実装されているかについての道徳心理学が扱われ,第2部では第1部の議論を前提にした上で道徳哲学,特に規範倫理学とメタ倫理学の議論が展開されている.原題は「An Introduction to Evolutionary Ethics」. 序章 序章ではE. O. ウィルソンが巻き起こした社会生物学論争に簡単に触れながら,道徳と生物学の関わりが整理されている.これは議論が混乱しやすいので最初に扱っているのだろう.ジェイムズは生物学と道徳の関連についてキッチャーによる以下の整理を紹介している. ヒトの道徳心理がなぜあるのかについての

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  •  「進化心理学を学びたいあなたへ」 その8 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化心理学を学びたいあなたへ: パイオニアからのメッセージ 発売日: 2018/05/30メディア: 単行 第3章 認知と発達を進化から考える その1 第3章は認知(推論,意思決定,記憶など)と発達が扱われる. 3.1 120万人と人口の0.1% 書き方で数の印象が変わるのはなぜ ゲイリー・ブレイズ ブレイズは数値情報の判断,領域特殊的推論,社会的意思決定を主に研究しているアメリカの進化心理学者,コスミデスとトゥービイのもとで学んだサンタバーバラ学派の1人だ.冒頭はある薬剤の10単位と10,000単位を間違えて投与しあわや医療事故というケースが取り上げられている.私たちの数値に対する判断も進化の影響を強く受けているのだ. ヒトが数値の情報をどのように取り扱うかは進化を通じてデザインされているため現代環境において常に効果的であるわけではない. ヒトが最もうまく数字を扱えるのは「それが頻度と

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    takanorikido
    takanorikido 2018/08/21
    3.3ヒトは何を覚えてきたのか:記憶の進化心理学 スタンレー・クライン がここで考えてたことに近いな。面白い。>ヒトは何を覚えてきたのか意識の報道官モデルと『神々の沈黙』 http://tkido.com/blog/4560.html
  •  「All Yesterdays」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    All Yesterdays: Unique and Speculative Views of Dinosaurs and Other Prehistoric Animals (English Edition) 作者: Darren Naish,C.M. Kosemen,John Conway出版社/メーカー: Irregular Books発売日: 2012/11/05メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 書は古生物アートに関するもので,というより解説付きイラスト集になる.古生物アーティストのジョン・コンウェイとC. M. コーズマンが,古生物学者でサイエンスライターのダレン・ナイシュと共著したものだ.(なお骨格図については古生物学者でイラストレーターのスコット・ハートマンの手によるものが添付されている) 書が圧倒的に面白いのは,厳密な科学的な考察を経たうえで,そう

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  •  「The Evolution of Desire: Revised and Updated Edition」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The Evolution of Desire: Strategies of Human Mating (English Edition) 作者: David M. Buss出版社/メーカー: Basic Books発売日: 2016/12/27メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る 書は進化心理学者ディヴィッド・バスの「The Evolution of Desire」の「Revised and Updated Edition」である.書については初版刊行が1994年,「Revised Edition」が2003年に出されている.2016年刊行のこの改訂版は,初版から22年後のいわば改訂第三版になる.なお邦訳は初版が「女と男のだましあい」という題*1で2000年に出されているのみになる. この1994年というのは進化心理学が勃興してきた時期に当たり,書で示さ

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  •  「働きたくないイタチと言葉がわかるロボット」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」 作者: 川添愛出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2017/06/21メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る 書は理論言語学,自然言語処理の専門家による「AIによる自然言語処理」についての初歩を解説する入門書だ.最近は画像解析や囲碁などの一部の分野での深層学習技術の驚異的な成功により「言語処理なんてディープラーニング使えば簡単でしょ」などという声があちこちから聞かれるようになり,違和感を通り越して危機感を抱くようになった著者による「いやいやそんなに一筋縄ではいかないんですよ」ということを解説するということになる.私のような分野外の素人にも楽しく読めるようにと物語仕立てになっているのが特徴だ.ピンカーの自撰論文集を読んでいると言語獲得に関して30年前の連想学習学派との論争がしばしば登場

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  •  「かくて行動経済学は生まれり」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    かくて行動経済学は生まれり (文春e-book) 作者: マイケル・ルイス出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/07/14メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 書はアメリカの人気ノンフィクションライター,マイケル・ルイスの手になるカーネマンとトヴェルスキーの物語だ.マイケル・ルイスはソロモンブラザースの債券部門で働いた後,1989年,インベストメントバンクの内幕もの「ライアーズ・ポーカー」によりノンフィクション作家としてデビュー.しばらくはファイナンスや投資の世界を題材にしていたが,2003年「マネー・ボール」でスポーツの世界にも進出,リーマンショック後はまたファイナンスものを多く残してきた.私も彼の作品をすべて読んだわけではないが,ファイナンスものは業界事情の背景知識があって迫力があるし,スポーツものもそれまであまり採り上げられていない通好みの話題

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  •  「Words and Rules」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Words and Rules: The Ingredients Of Language (English Edition) 作者: Steven Pinker出版社/メーカー: Basic Books発売日: 2015/07/14メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るWords And Rules: The Ingredients of Language (SCIENCE MASTERS) (English Edition) 作者: Steven Pinker出版社/メーカー: Weidenfeld & Nicolson発売日: 2014/05/22メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る*1 書はスティーヴン・ピンカーによる1999年に刊行された一般向けのであり,英語に現れる動詞の過去形や名詞の複数形の規則型と不規則型を深く掘り下げて,ヒトの心にある「概念

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  •  「行動経済学の逆襲」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    行動経済学の逆襲 (早川書房) 作者: リチャードセイラー出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/07/31メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る 書はカーネマンとトヴェルスキーとともに行動経済学の夜明けを作ったリチャード・セイラーによる自伝的研究物語だが,同時に行動経済学の学説史兼概説書でもあるというになる.自伝がそのまま学問の大きな部分を包括できるという創始者ならではの構成で,著者の人生,その物語性とともに行動経済学の興隆した背景,学問全体の見取り図がうまく語られている.原題は「Misbehaving: The Making of Behavioral Economics」. まえがきでトヴェルスキーの想い出にふれた後,物語は始まる.全体はセイラーの学者としてのキャリアの区切りによって8部構成になっている. 第1部 エコンの経済学に疑問を抱く 冒頭

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  •  「The Evolution of Beauty 」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The Evolution of Beauty: How Darwin's Forgotten Theory of Mate Choice Shapes the Animal World - and Us 作者: Richard O. Prum出版社/メーカー: Doubleday発売日: 2017/05/09メディア: ハードカバーこの商品を含むブログを見る 書は羽根の起源と進化過程仮説で有名な鳥類学者リチャード・プラムによって書かれた性淘汰のである.性淘汰は,フィッシャーのランナウェイ過程,ザハヴィのハンディキャップ原理などの妥当性をめぐり,80年代から90年代にかけて,行動生態学の中でかなり注目を浴びたトピックだった.しかし最近は,「性淘汰のプロセスがどのようなメカニズムで進むのか」という理論的な問題は,「さまざまなメカニズムは互いに排他的ではなく統合的に考えるべきで,個別のケー

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  •  「ゲノム革命」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ゲノム革命―ヒト起源の真実― (早川書房) 作者: ユージンEハリス出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/04/15メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 書は分子人類学者のユージン・E. ハリスによる最新のDNA解析から人類について何がわかってきたのかを一般向けに解説したでり,かなり専門的で詳しいところまで取り扱われていて充実したに仕上がっている.原題は「Ancestors in Our Genome」.なお著者の名前ユージン(Eugene*1)は「優れた遺伝子」を意味するもので,いかにもこのようなの著者にふさわしい. 第1章 調べるべきものは形態か遺伝子か*2 まずは系統樹についての解説.簡単な解説を置いても退屈だと言うことで,自伝的なエピソードを付け加えているのがなかなか面白い.ハリスは1990年代に自然人類学専攻の大学院生だったそうだが,

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  •  「目立ちたがり屋の鳥たち」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    目立ちたがり屋の鳥たち: 面白い鳥の行動生態 作者: 江口和洋出版社/メーカー: 東海大学出版部発売日: 2017/04/12メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見る 書は行動生態学者で鳥類学者である江口和宏による鳥類の行動生態,特に性淘汰やシグナルについて詳しく扱ったである.書を最初に手に取ったときにはそのカジュアルな装丁から,初心者向けに書かれたちょっと面白い鳥の習性とその行動生態的な解説のあるかと思ったが,実はかなり格的な総説書である. 構成的には,配偶戦略,性淘汰と正直な信号,信号による操作,巣や卵の信号性,ニワシドリの性淘汰信号,ヘルパー,認知能力と個性,種間関係という形になっていて,特に性淘汰形質の信号性について詳しい. そしてそれぞれのトピックについて実に細かく総説が書かれている.ここでは私が興味深く感じたところを紹介しておこう. <配偶戦略> ルリ

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  • Language, Cognition, and Human Nature 第7論文 「ヒトの概念の性質」 その15 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Language, Cognition, and Human Nature: Selected Articles 作者: Steven Pinker出版社/メーカー: Oxford University Press発売日: 2013/09/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 概念カテゴリーの機能はカテゴリーに基づいた推論を可能にすることであり,それは世界がそういう風にクラスターを作っているからだと喝破したピンカーは,続いて2つのカテゴリーのそれぞれの機能を説明する. 古典的カテゴリー:理想化された法則システムの中の推論 ここまでの話は,ヒトが概念を形成することによってメリットを得られるような自然のモードを創り出す規則性とはどのようなものかという疑問につながる.最も一般的な感覚で言えば,その規則性は自然科学や数学の法則によってもたらされるということになるだろう. 自然に

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  •  大英自然史博物館展 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    大英自然史博物館にはロンドンに行ったときに何度かサウスケンジントンまで足を伸ばして訪問したことがあるが,その美しい建物,ダーウィンとオーウェンとの直接的な縁,恐竜だけでなく魚竜のコレクションのすばらしさ,鉱物コレクションの途方もなさがいつも印象的だった. しばらくロンドンと縁がなく10年以上ご無沙汰になっていたが,今回は始祖鳥のタイプ標化石を始め貴重なコレクションの一部が上野の科博で公開されるということで見に行ってきた. 2008年のダーウィン展の時には写真撮影不可だったが,最近の科博の特別展は結構写真撮影可になっていて嬉しい限りだ.今回もフラッシュを焚かなければ撮影可ということだった.こうなると高感度撮像素子のあるいいカメラが欲しくなってくるところだ.今回はごく普通のスマホ撮影. 序章 自然界の至宝 博物館への招待 最初のコーナーは,まず美しい標をいくつか見てもらおうというイントロダ

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  •  「決断科学のすすめ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    決断科学のすすめ—持続可能な未来に向けて、どうすれば社会を変えられるか? 作者:矢原 徹一文一総合出版Amazon 書は植物学者であり,進化生物学者でもある矢原徹一による,「どのようにすれば良い決断ができるか」をテーマにした一般向けのである.書執筆の経緯としては,文部科学省により2011年に開始された「博士過程教育リーディングプログラム」に,九州大学として「持続可能な社会を開く決断科学大学院プログラム」を応募し,2013年に採択されたということがあり,そのプログラムの教科書作りに先立って入門書を出版したという説明がある.良い決断をするためのノウハウを書いたビジネス書は多いし,歴史小説にもヒントはあるが,科学の面から考察した軸を持つことも有用だろうという趣旨だ. 書は入門書としての取っつきの良さ(いい意味の緩さ)を優先した構成になっていて,2部6章のだが,各章が細かな節に分かれて

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  •  「Against Empathy」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Against Empathy: The Case for Rational Compassion 作者: Paul Bloom出版社/メーカー: Ecco発売日: 2016/12/06メディア: Kindle版この商品を含むブログ (4件) を見る 書の著者ポール・ブルームはピンカーと一緒に言語が適応であることを主張し,その後発達心理学者として道徳の獲得やヒトの心にある質主義的傾向をリサーチしていることで知られる. ブルームの新刊である書は題名通りの「共感」への批判書,より正確には「共感こそが,道徳の向上,そして差別のない平和な世界を創るための鍵だ」という考え方を批判するだ. 初めて聞くとこれはかなり奇異な主張に聞こえるだろう.人種差別や性差別,さらに戦争を含むアウトサイダーへの暴力は,相手の身になって差別の痛みを感じることによってその酷さが実感でき,それによってこそ抑制が可能に

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  •  「腐女子の心理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    腐女子の心理学 彼女たちはなぜBL(男性同性愛)を好むのか? 作者: 山岡重行出版社/メーカー: 福村出版発売日: 2016/06/09メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 書は社会心理学,パーソナリティ心理学の視点から「腐女子」についてのリサーチを行った結果をまとめただ.元々マイノリティとそれに対する差別の心理(正確には「少数派の意識と,多数派の少数派に対する意識」)をリサーチしていた著者が,学生から「腐女子」をテーマに卒論を書きたいと相談されることが多くなり,基礎的な文献がないこともあって自ら行ったり指導してきたリサーチをにしたという経緯を持つ.だからこの分野の基礎的な文献になることを目指した専門書であり,構成的には多くのリサーチテーマについて,それぞれテーマの解説,調査方法,結果,考察という形で書かれており,かなり硬派なに仕上がっている. なお書では「腐

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  •  講演会/ワークショップ「より有益で,より効率的な研究をデザインしよう」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    前回,心理学評論特集「心理学の再現可能性:我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」についてレビューしたが,この再現性問題についてはそのほかにも様々な動きがある. そのような試みの一環として,科研費・挑戦的萌芽研究「社会心理学の再現可能性検証のための日拠点構築(代表:三浦麻子・関西学院大学教授)」と慶應義塾大学・三田哲学会の共催により,こうした動きの最前線で活躍されているDaniel Lakens博士(Eindhoven University of Technology)を招いて,9月22日に慶応大学三田キャンパスで講演会とワークショップが開かれた. 当日は土砂降りのあいにくの天気だったが,参加してきたので,内容を紹介したい (参考サイト) https://sites.google.com/site/kgasasemi/replicability/jsps_kakenh

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  • 「進化は万能である」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来 作者: マット・リドレー,大田直子,鍛原多惠子,柴田裕之,吉田三知世出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/09/21メディア: 単行この商品を含むブログ (5件) を見る 以前私が書評したマット・リドレーによる「The Evolution of Everything: How New Ideas Emerge」が邦訳出版された.書は様々な物事の変遷はデザイナーによるトップダウン型で決まるのではなく,ボトムアップの創発的な現象であることを,多岐にわたるトピックについて扱っているものだ.実際に書の中では,西洋哲学,道徳,生物デザインの説明,生物進化,文化,経済,技術,自由意思,パーソナリティ,教育制度,人口動態,リーダーシップ,政府,宗教,マネー,インターネットが取り上げられ,それらの歴史的あるいは時間的変遷は誰かのデザインや意

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