1998年、「新ゴーマニズム宣言スペシャル 戦争論」で「大東亜戦争肯定論」をぶちあげ、論争を呼んだ漫画家・小林よしのりさん(61)。「新しい歴史教科書をつくる会」の立ち上げに関わるなど保守派の論客として知られていたが、今年1月に刊行した「新戦争論」の帯には、「ようござんすね?このまま戦争で」とうたう。立場の変遷や、戦後70年の平和について考えを聞いた。 ――「戦争論」では、戦後50年を少し過ぎた頃の時代の空気を、「あちこちがただれてくるよな平和さだ」と書いています。 あのときはそういう時代でした。津波や原発事故や戦争などの非日常は何も起こらないし、宮台真司が「終わりなき日常」と表現していた。世の中はもう変わらない、だから女子高生が援助交際をしたり、適度に荒廃した倫理観で生き抜くのが少女たちのバランス感覚だなんて書いてたけど、人々は平穏に頽落(たいらく)している感じだった。 わしはそういう社