Image Credit: Tetsuro Matsuzawa /Primate Research Institute, Kyoto University ローマに行った。3泊5日1機中泊。3日間の学会に出て帰ってくる典型的なパターンだ。目的はヨーロッパ霊長類学連合での講演である。 イタリアに野生のサルはいない。そもそもヨーロッパや北米にはサルがいないので、欧米人がサルを研究するには、中南米、アフリカ、インド・東南アジアまで出かけないといけない。日本にはニホンザルがいるので、国内で研究ができる。 野生ニホンザルの研究で、欧米で最も広く知られているのは、宮崎県の幸島にすむ野生サルのイモ洗いだ。ちょうど50年前の1965年に、河合雅雄が『プリマーテス』という英文の国際学術誌に論文を書いた。 調べてみると、これまでほかの学者によって691回、引用されている。引用は論文の影響力を測る指標で、この数