9月の台風13号による大雨で、茨城県の日立市役所が浸水し、全電源を喪失した。「災害に強い市庁舎」を掲げ、事業費約100億円を投じて建てられた新庁舎は、想定外の大雨になすすべなく機能を停止。復旧に2億円超の負担を迫られた。浸水から約2カ月。取材から、見過ごされた「3つの警告」が浮かんだ。9月8日午後6時過ぎ、列島に接近した台風13号の影響で、市役所裏の数沢川が氾濫した。泥水が地下駐車場へのスロー
16日夜から17日午前にかけて行われた陸上自衛隊第1師団(東京都練馬区)の連絡要員の自衛隊員が23区に徒歩で出向き、被害状況や出動要請の有無などを確認する統合防災演習で、自衛隊側が23区に「隊員を区役所庁舎内に立ち入らせてほしい」と要請していたにもかかわらず、11区が拒否していたことが22日までの産経新聞の調べで分かった。区職員の立ち会いも要請していたが、7区の防災担当者は立ち会わなかった。要請を拒否した区には「区民に迷彩服を見せたくなかった」と明かした担当者もいた。(三枝玄太郎) 隊員の立ち入りを認めなかったのは、千代田▽中央▽港▽新宿▽目黒▽世田谷▽渋谷▽中野▽杉並▽豊島▽北の11区。大半は「自衛隊から要請がなかった」と断った理由を説明した。 防災担当職員が立ち会わなかったのは千代田▽中央▽港▽墨田▽世田谷▽渋谷▽中野の7区。各区とも「要請がなかった」と口をそろえる。千代田区の担当者は
埼玉県は、県内で想定される津波被害を県の地域防災計画に項目として盛り込むため、具体的な検討作業を始めた。 東京湾を津波が襲い、県内を流れる荒川を遡上(そじょう)する可能性が指摘されていることから、東日本大震災を踏まえた被害想定見直しの一環として盛り込むことにした。海岸のない内陸県では全国初の取り組みという。 東京湾で起きる津波の高さについて、国の中央防災会議は2005年に公表した首都直下地震の被害想定で約50センチ未満と予測。03年に公表した東南海・南海地震の被害想定でも1~2メートル未満としている。 だが、東日本大震災を受けて同会議の専門調査会は津波対策の見直しを行い、関東大震災を引き起こした「相模トラフ」での巨大地震を政府による首都直下地震の想定に加える最終報告書を昨年9月にまとめた。
台風12号の豪雨で大きな被害を受けた和歌山県が、発生時の対応や被害状況をまとめた記録誌の編集を始めた。教訓を後世に残すと同時に当時の対応を分析し、予想される東南海・南海地震などへの防災対策につなげるのが狙いで、来年度中の発行を目指す。県は他地域を襲った過去の災害の教訓を対策に取り入れてきたこともあり、今後の防災に役立ててもらうため、国などへの配布も検討している。 和歌山県は東南海・南海地震の津波などを想定して進めてきた対策で、全国から視察が相次ぐなど防災先進県として知られる。しかし前例のない豪雨に見舞われた今回の災害では、死者・不明者が57人にのぼり、道路の寸断で県南部の各地が孤立するなど大きな被害を受けた。 県ではこれまでも過去の災害を教訓に対策を進めており、今回の豪雨災害でも情報伝達や孤立集落への対応など、東日本大震災や新潟県中越地震の教訓が生きたケースがあった。一方で指定避難所の水没
河川の増水が激しかった名古屋市では20日から21日にかけて、市人口の約半数にあたる100万人超に及ぶ住民に、異例の避難指示・勧告を出した。決断の背景には平成12年に死傷者51人を出し、対策が後手に回った「東海豪雨」の教訓があった。市は被害を最小限に食い止めた「早めの対応」を肯定的にとらえる。一方で、実際の避難者は5千人弱にとどまっており、広報体制や避難先の確保などで課題も残った。 名古屋市が最初に避難勧告を出したのは20日午前11時20分。市内を流れる天白川が警戒水域に達したため、流域住民ら約20万人を対象とした。さらに同55分には庄内川でも氾(はん)濫(らん)の兆候がみられたため、勧告対象地域を一気に拡大。午後3時にはさらに約7万9千人に避難を指示。20日夜には避難勧告・指示を合わせると、対象者は108万人超に上った。 名古屋市の人口は約227万人。わずか約4時間の間に半数近くの住民らに
ベンチの支柱のふたを外すと、かまどに変身する=新宿区の富久さくら公園マンホールを開けると下水に直結した便器があらわれる=東京都新宿区の富久さくら公園 ベンチが炊き出し用のかまどに、マンホールが仮設トイレに――。一見何の変哲もない公園が、ひとたび災害が発生すると救援拠点に姿を変える。そんな公園が都市部を中心に増えてきた。小さな公園でも助成を受けられるようになり、関連設備の売り上げも伸びている。 この春、東京都新宿区の公務員宿舎跡地に、約70メートル四方の「富久(とみひさ)さくら公園」が開園した。近くの住民約30人の声をくんで設計。震災があったときの一時避難場所を想定している。 公園のベンチは、腰掛ける部分の木製の板を外すと二つの金属製の支柱がそのまま2基のかまどになる。9月の防災訓練ではここで200人分のコメを炊いた。同区富久町中町会の遊佐和男さん(81)は「木造家屋が多い地域だか
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