二階俊博幹事長との会談に臨む菅義偉首相(左)。右は菅義偉首相との会談に臨む二階俊博幹事長=25日午前、東京・永田町の自民党本部(春名中撮影) ※この記事は、月刊「正論10月号」から転載しました。ご購入はこちらをクリック。 自民党が浮足立っている。というよりも、あれよあれよという間にもろくも自壊しだしたというべきか。中国・武漢発の新型コロナウイルス対応に対する国民の不満や不安が鬱積し、強いリーダー不在の中で党内秩序がぼろぼろになっていく様子は、平成二十一年九月の民主党への政権交代時を連想させる。 「菅義偉首相が何か大きな失政でもしたというのか」 自民党幹部の反論はもっともだが、コロナ禍での長引く自粛と逼塞の日々に対する国民の怒りや失望は、どうしたって政府・与党に向けられる。 菅政権は、無観客ではあったものの東京五輪は成功させた。感染力の強いインド由来の変異株(デルタ株)さえ出現しなければ状況