スモール・イズ・ビューティフル。経済学者のエルンスト・フリードリヒ・シューマッハーが1973年に著した世界的ベストセラーで語られていたことが、半世紀を経て再び注目されている。 これまでの常識では「モノを売るには店舗は大きければ大きいほどいい」とされてきた。巨大なイオンモールやコストコができると、遠方からも客がわっと押し寄せて大盛況。家電量販店でもパチンコ店でも「地域最大級」をうたえるかは、店の売り上げにかかわる重要なポイントだった。 しかし、そんな“大型店信仰”のムードに変化の兆しが訪れている。日本国内のさまざまな有名企業が「小さいことは良いことだ」と言わんばかりに「店舗の小型化」を推進しているからだ。 まず、筆頭はコンビニ王者のセブン-イレブンである。2024年の春からオフィスのスペースを利用したコンパクト店舗や、地方の工場を対象に従来の4分の1ほどの店を出店している。