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ブックマーク / blog.livedoor.jp/yamasitayu (8)

  • 梶谷懐『中国経済講義』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    10月14 梶谷懐『中国経済講義』(中公新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 中国のマクロ経済が専門ながら、『「壁と卵」の現代中国論』や『日中国、「脱近代」の誘惑』で経済を軸に思想や社会問題を含めた形で中国と日を論じ、『日中国経済』(ちくま新書)で日中の経済交流と中国の現代経済史を分析した著者が、現在の中国経済が直面している重要な課題を論じたもの。 経済学の概念を使ってかなり格的に論じているために、前半の章を中心にやや難しく感じる部分もあるかもしれませんが、格的に論じているからこそ、いまこの瞬間の問題点だけではなく、中長期的な問題というのも見えるようになっていて非常に読み応えがあります。中国経済に対して、ある程度の見通しをもっておきたいという人には必読のといえるでしょう(ただ、序章〜第2章はテクニカルな部分も含むので、経済学の概念に慣れていない人は第3章から読んでもいいか

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    takeori 2019/01/03
  • 二松啓紀『移民たちの「満州」』(平凡社新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    8月3 二松啓紀『移民たちの「満州」』(平凡社新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 京都府天田郡(現在の福知山市)の天田郷開拓団の関係者からその資料を託されたことをきっかけにして満蒙開拓団について調べ始めた京都新聞の記者が、「満州移民とは何だったのか?」ということを明らかにしようとした。 たんに京都からの満州移民のルポというようなものではなく、「国策」としての満州移民が、いかに立案・推進されたか、そして悲劇を生み出したのかということを幅広い視野で分析しようとしたでもあります。 満州移民という政策の問題点についての分析と、その政策が個々人にもたらしたものがバランスよく記述されており、非常に良いになっていると思います。 1931年に満州事変が起こり、翌32年に満州国の建国が宣言されましたが、当時の日の支配は「点」(都市)と「線」(鉄道)でしかなく、「面」の支配とは言えない状況でした。

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    takeori 2015/08/07
  • 篠原健一『アメリカ自動車産業』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    8月13 篠原健一『アメリカ自動車産業』(中公新書) 8点 カテゴリ:社会8点 タイトルは「アメリカ自動車産業」ですが、その中でも特にアメリカの工場の労使関係に焦点を当てた。 「アメリカの自動車業界」について知りたい人にとっては物足りないかもしれませんが、アメリカ、日を問わず雇用問題に興味のある人にとってはとても面白いだと思います。 日の雇用改革では「同一労働同一賃金」、「ジョブ型正社員」といった言葉がよく使われていますが、その特徴と、それに伴う厄介な面も知ることができます。 目次は以下の通り。 第1章 アメリカ自動車産業―国際競争力と労使関係 第2章 アメリカの非能力主義・日の能力主義 第3章 アメリカにも年功制がある?―先任権の及ぶ領域 第4章 チーム・コンセプトという日化―トップダウン経営の限界 第5章 新生GMにおける経営改革の課題―国際競争力・労使関係・職長の役割 第

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    takeori 2014/08/13
  • 石井彰『木材・石炭・シェールガス』(PHP新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    6月21 石井彰『木材・石炭・シェールガス』(PHP新書) 8点 カテゴリ:社会8点 PHP新書に関しては、タイトルがいまいちなことが多いのですが、こののタイトルもよくわからないタイトルですよね。サブタイトルは「文明史が語るエネルギーの未来」ですが、これでもこのの内容の半分しか表していないと思います。 ということで、とりあえず目次をどうぞ。 第1章 「エネルギー反革命」の時代 第2章 再生可能エネルギーの世界史 第3章 第一の反革命―再生可能エネルギーは環境に悪い 第4章 第二の反革命―シェールガス革命 第5章 第三の反革命―「石油の世紀」の終焉 第6章 エコという迷宮 第7章 エネルギーの将来 この目次を見ると、中身が何となくわかってくると思うのですが、このは「今までのエネルギーの常識が覆されつつある」ということを主張するです。 1つ目は「再生可能エネルギーは環境に悪い」というこ

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    takeori 2014/06/22
  • 板橋拓己『アデナウアー』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    6月8 板橋拓己『アデナウアー』(中公新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 戦後の西ドイツの首相として敗戦からの復興を担ったアデナウアー。その名前については多くの人が知っていると思います。ただ、その足跡の大きさに関しては日ではそこまでは知られていないのではないでしょうか? ドイツの世論調査では、1993年まで行われた「最もドイツに貢献した偉大なドイツ人は誰だと思うか?」との質問に1958年からずっとアデナウアーが1位だったとのことですし(2位はビスマルク)、2003年にテレビ局が行った「最も偉大なドイツ人」の調査でも、ルターやマルクスを抑えて第1位に輝いたそうです(iii〜ivp)。 1949年に73歳で首相に就任し、14年間その座にあったアデナウアーについて、著者は「きわめて乱暴に言えば、戦後日における吉田茂、鳩山一郎、岸信介、池田勇人らの役回りをすべて担ったような存在なのである」

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    takeori 2014/06/10
  • 清水唯一朗『近代日本の官僚』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    5月7 清水唯一朗『近代日の官僚』(中公新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 面白いというのはいくつかの楽しみ方ができるものですが、このもそう。近代日の官僚制の発展の歴史を知ることが出来るだけでなく、近代日を担ったエリートたちのドラマ、そして現在の日政治システムの問題点を改めて知ることができます。 しかも、王政復古の大号令から記述が始まっているので、「日という近代国家は以下にして成り立っていったのか?」という疑問にも答えてくれる内容になっています。 というわけで、どこから紹介しようか迷うなのですが、まずはこのは「日の近代国家建設の歩み」を描いたものとして面白く読めます。 あくまでも力点は官僚と行政機構に起これているので、一般の人々の様子や軍の動きなどはわかりませんが、行政機構の変遷や、そこで活躍した人びとの姿を知ることで、日という近代国家が立ち上がってくる様子がわ

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    takeori 2013/05/08
  • 片岡剛士『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    4月25 片岡剛士『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 前作『円のゆくえを問いなおす』(ちくま新書)でも丁寧で鋭い分析を見せていた片岡剛士の新刊は新書における「アベノミクス分析・一番乗り」のにして、 しばらくこれで十分だろうと思わせる。前作は、安達誠司『円高の正体』(光文社新書)とやや内容がかぶっていて遅れを取った感じもなくはなかったのです が、今作は出版のタイミングも内容も申し分ないと思います。 「アベノミクス」は、「大胆な金融緩和」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「3の矢」からなっており、その中でも注目が集まっているのが、新しく総裁に就任した黒田東彦総裁による「異次元緩和」とも呼ばれる「大胆な金融緩和」です。 実際、この「大胆な金融緩和」が「円安・株高」の流れをつくり出し、経済に明るい展望をもたらしていますが、この政策に対

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    takeori 2013/04/25
  • 平野克己『経済大陸アフリカ』(中公新書) 10点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    2月22 平野克己『経済大陸アフリカ』(中公新書) 10点 カテゴリ:政治・経済10点 これは非常に読み応えのある。21世紀になって1980年代以来の経済停滞から抜けだしたアフリカの成長の要因とそこに大きくコミットする中国の姿を描き つつ、農業生産や製造業が育たないアフリカ経済の欠点、国際援助の歴史とその有効性、非効率な政府を飛び越えて活躍する企業など、アフリカを通して現在の グローバル経済の姿が見えるようになっています。 また、そうしたアフリカ経済を分析することによって経済発展のメカニズムについての知見も得られるような構成になっており、「どうすれば貧しい国は豊かに なるのか?貧しい人々は豊かになるのか?」という難問に取り組むための大きなヒントを得ることができるでもあります。 目次は以下の通り。 第1章 中国アフリカ攻勢 第2章 資源開発がアフリカをかえる 第3章 料安全保障をおび

    takeori
    takeori 2013/03/02
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