【鳥取】室町時代の僧侶の暮らしが徐々に判明してきた大山寺(大山町大山)の僧坊跡発掘調査で、炭化米の塊が多数見つかり、研究者の関心を集めている。分析を依頼された国立歴史民俗博物館の住田雅和研究員(植物考古学)は「押しずしの可能性が高い」と指摘。確認されれば国内初のすしの遺物で、食文化史上の貴重な史料となる。【小松原弘人】 大山町教委によると、炭化米の塊は最大のもので長さ約7センチ。十数個が見つかった。建物跡のほぼ中央部分の土中で多くみつかり、当初は「おにぎり」という見方もあった。 住田研究員は「すき間なく固まった塊で、強い力で押しつけたと見るのが合理的。軟らかいおにぎりではない」と説明。表面に植物繊維跡も見つかり、何かで包んでいたらしい。住田研究員は「中世の押しずしは贈答品にも使われた。魚などの具材があれば庶民でも作れた」と話している。 町教委の辻信広主幹によると、長さ約5センチの直方体に近