脱退。という表現に平手友梨奈を感じてしまうのはもはや病気なのかもしれないが、まさに平手が選ぶ言葉、という感じがする。 平手はこれまでも、ちょっとした思いつきでどこかに行ってしまいそうだったし、でもなんだかんだいっても欅坂46という生命体の中でしか呼吸を続けられない儚い存在のようにも見えていた。 だから、脱退という突然の一報を聞いても、「ああそうか」と変に納得する自分もいるし、「大丈夫なのか」と勝手に心配する自分も、まだ衝撃を飲み込めずに、何度もニュースを読み返そうとする自分もいる。 あらためて思えば、切ないのか、悲しいのか、解放感なのか、落ち着きなのか、愛しさなのか、慈しみなのか、、、、なんともわからないが、まだ名前のついていないこんな気持ちの底に、容赦なく僕たちを叩き込むのはこの数年、いつも平手友梨奈だった。 だからなのか、まだ衝撃のさなかにいながらも、どこか、収まるべきところに流れつい