吉行淳之介「懐かしい人たち」がちくま文庫で再刊された。単行本は1994年4月に出ているとある。そうすると吉行が亡くなった年だ。吉行淳之介はこの年の7月に亡くなった。わが師山本弘の東京での初めての遺作展がこの年の7月11日から東邦画廊で開かれ、針生一郎さんが読売新聞にその推薦文を書いてくれた。担当記者の芥川喜好さんから、それが遺作展最終日3日前の水曜日の夕刊に掲載されると言われていたのだが、吉行淳之介が亡くなってその追悼の記事が掲載され、針生さんの文章は翌木曜日の夕刊になったのだった(id:mmpolo:20061009)。遺作展の会期があと金土の2日間しかないと画廊で残念がっていたからよく覚えている。 23年ぶりに「懐かしい人たち」を読み返したら何編か覚えていた。忘れていた方が多いが。これは吉行が交友のあった32名の文学仲間のことを書いている。この時点ですでに亡くなっている人たちだ。 その