「黒人の命も大切だ」というサインが表窓に掛けてある〈ヴェンチャー・ノース〉のドアを開けると、コーヒーの香りが私を迎えてくれる。店内の壁を覆う写真や壁画は、どれも近所の有色人種をモデルにした作品だ。この事実に驚くべきことは何もない。ミネアポリス北部は歴史的に黒人が多く、〈ヴェンチャー・ノース〉の経営者も黒人であることを考えれば。 それでも、そのサインは僕の目を引く。〈ヴェンチャー・ノース〉は自転車店だが、自転車店というものは、通常は有色人種のマウンテンバイカーには居心地よい場所ではない。それどころか、苦痛の種となる場合の方が多い。自分の自転車の知識を証明しないといけないように思わせる、上から目線の整備士や店員がいるからだ。 残念ながら、有色人種にこのような思いをさせるのは店だけではない。マウンテンバイク業界自体がそうだ。今日、私たちがここにいる理由はまさにそこにある。 トレイシー・ブラウン、
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