安倍政権が現在、“最重要”政策課題に掲げる「働き方改革」。長年日本の問題とされてきた長時間労働の慣行は、これを機に是正の方向に向かうのか。 時代は「働き方改革」である。「働き方を変えよう」と言われて、総論では誰も反対しない。これらが国を挙げた議論になっていることに時代の変化を感じるし、期待をしないわけではない。ただ、この国家を挙げたチャレンジに、私は曖昧な不安を抱いている。この取り組みがわが国の労働問題を解決する本質的な取り組みになるよう、懸念点を指摘したい。 「働き方改革」が議論されるのは画期的だが・・・夏の参議院選挙を経て発足した第3次改造安倍内閣は、自らを「未来チャレンジ内閣」と位置づけた。中でも「働き方改革」を最大のチャレンジと位置づけている。すでに、労使の代表や有識者を交えた「働き方改革」の会議も開かれた。検討事項として、次の9項目があげられている。 非正規雇用の処遇改善(同一労