夏本番となり液化炭酸ガスやドライアイスの需要期を迎えた。液炭は石油精製やアンモニア製造工程の副生ガスとして発生する二酸化炭素(CO2)を原料とするが、近年、老朽化による設備トラブルや製油所の稼働率減少で需給逼迫(ひっぱく)が慢性化している。今年は特に西日本を中心に4月から顕著になっており、液炭を一番多く使用する溶接や飲料用の影響が懸念されている。コスト高などを嫌気する需要家からは、早期解消を望む声が多い。 西日本で顕著 近年の液炭とドライアイスの需要動向は、液炭が年間約80万トン、ドライアイスが同35万トン弱と横ばいで推移する。一方、液炭製品を取り巻く環境は、製油所、アンモニアプラントの統廃合や再編などの影響で調達先が減少し、原料のCO2が不足している。 関西では主に大阪府内の製油所や化学会社など3カ所から原料のCO2を調達している。液炭会社の中には夏の需要期に備え、液炭の貯蔵タンクを満杯