有力選手の「爆買い」が目立つ中国サッカー界だが、実は日本流の育成手法も採り入れられている。元日本代表監督の岡田武史氏が指揮官を務めた浙江緑城(旧杭州緑城)はその一つ。業務提携するFC今治から「サッカー学校」にコーチを派遣してもらい、草の根レベルから指導を見直す取り組みが始まっている。 身長180センチを超える中学生GKが並び、セービングの技術を学ぶ。その横で、ちびっ子たちがジグザグドリブルに励む。練習が終われば、日本語で「アリガトウゴザイマシタ」。日本人コーチとお辞儀をしながら握手を交わす。 「ようやく、これが当たり前の光景になってきました」。今治から派遣されて5年になる土橋功コーチは目を細める。 拠点となる「緑城足球訓練基地」はサッカーコートが全部で9面ある巨大施設。50面ある広州恒大には及ばないものの、学校や寮も兼ね備える。スカウトされた「アカデミー」と、希望して入る「スクール」を合わ