奈良県橿原市にある「まえだ耳鼻咽喉科クリニック」は、かぜや中耳炎などの患者が訪れる、一見普通のクリニックです。14年前、院長の前田稔彦さんが開業しました。 ここでは抗菌薬を極力処方しないよう、診療に「グラム染色」と呼ばれる検査を取り入れています。患者の鼻水やたんを、特殊な染料など4種類の液体を使って染めたあと、顕微鏡でのぞきます。10分ほどで、細菌が原因かを推定することができ、検査結果をもとに、抗菌薬を処方するかどうか、どの抗菌薬を処方するかを判断します。 グラム染色を導入したのは、開業してまもない13年前。抗菌薬が効きにくい耐性菌の問題を知ったからでした。病状が悪化した時の責任や、患者が来なくなってしまうおそれなどから、患者や保護者に求められればもちろんのこと、 かぜや中耳炎の患者のほとんどに、抗菌薬を処方していたみずからの診療に疑問を持ったから でした。 前田医師は「中耳炎の患者さんで
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