川内川の中流に作られた鶴田ダムによって出来た大鶴湖には、夏の渇水期になると姿をあらわす遺跡と見間違えるような美しい姿の曽木発電所遺構があります。冬には姿はちょっとしか見えず、夏にだけ全貌を見る事が出来るという、神秘さも感じられる忘れ去られようとしていた曽木発電所遺構についてご紹介します。 Ⅰ.曽木発電所遺構とは? 曽木発電所遺構は、牛尾大口金山の電源供給を目的とした水力発電所として明治42年(1909年)に建設されたもので、昭和41年(1966年)に鶴田ダムの完成により大鶴湖に沈みました。その後、平成11年(1999年)に保存運動が起きて、平成16年(2004年)から補強工事が始められ、平成18年(2006年)には登録有形文化財、平成19年(2007年)には近代化産業遺産に認定されました。 昔の曽木発電所