麻薬成分がほとんどない「産業用大麻」を栽培し、建材や自動車部品などに加工して事業化を図る北海道北見市の取り組みが、道の「産業用大麻栽培特区」認定から1年を迎えた。 環境に優しい新産業として地元の期待を集めるが、法律の壁に阻まれ、なかなか進展していないのが現状だ。 北見市周辺は、道が野生大麻撲滅の重点地区にしており、産業用大麻の栽培には気象条件などが適している。また、農業が盛んな北見地方では、休耕地などを活用して産業用大麻を生産できるほか、栽培も簡単なことから、建設業者など異業種からも参入しやすいとして注目を集めている。 道も「雇用の創出など地域活性化につながる可能性がある」として、昨年8月、北海道版構造改革・地域再生特区に認定した。 産業化に向けては、〈1〉種子の確保〈2〉麻薬成分の検査体制――の2点が大きな障壁だった。事業化に必要な大量の種子は輸入に頼らざるを得ないが、発芽できる種子の輸