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ブックマーク / aggren0x.hatenadiary.org (9)

  • 不老長寿の薬の話(まじめな話) - aggren0xの日記

    前回のエントリが妙な反響を呼んでしまい反省。今後は自重します。 オーダーメイド関連の次の投稿までのあいだに、今日これおもしろいなーと思ったのをリンクしときます。 これはスタチンという薬についての話ですが、スタチンとは高脂血症治療薬の一つの種類で、メバロチン、リポバス、リピトール、リバロ、クレストールとあとジェネリックの薬があります。メバロチンを開発した日人の遠藤章先生はラスカー賞を受賞されています。 Should Anyone Not Take a Statin? In a meta-analysis, benefits of statins outweighed risks, even in the healthiest patients. http://general-medicine.jwatch.org/cgi/content/full/2012/612/4 リンク先の文書によれ

    不老長寿の薬の話(まじめな話) - aggren0xの日記
    taninsw
    taninsw 2012/06/25
  • 新年を迎えるにあたって - aggren0xの日記

    10代の大腸癌患者さんというのがいた。 僕の担当ではなかった。むかしのことだけど。 若い人のがんの進行は速い。若ければ若いほど速いのかもしれない。もちろん担当の主治医はそれこそ頭をかきむしるくらいに苦悩していたけど、僕にとってもそれはとても言葉で言い尽くせるような経験ではなかった。こういうのを言葉に出来る人が作家になるのだろうが、僕には文才がない。 思ったよりずっと早く亡くなった。 大腸癌だからこれほどの衝撃をうけるので、白血病や骨肉腫とかならよくあることではあるかもしれない。交通事故で若くして死ぬこともよくあるだろう。それでも、ひどく不公平なものだと思った。だって大腸癌だ。 10代の1型糖尿病患者さん、20代のSLE患者さんならよく診た。いずれも一生付き合う病気だ。人生の長さが70年なら、まだそのうち1-2割しかすごしていないのに、残りすべてをこの病気とつきあって生きていかなきゃいけない

    新年を迎えるにあたって - aggren0xの日記
  • ちょっとしたこと - aggren0xの日記

    次世代シーケンサーが研究に導入されてもうしばらくになる。いろいろなところで使われている。 完全にぼかすけど、日ではないあるところにある臓器の遺伝性疾患の診断に関する世界的名医と呼ばれる医師がいて、すでに原因遺伝子がわかっている病気だけでなく、遺伝子がわかっていないが明らかなメンデル遺伝を示すような疾患についても彼の診察を受ければたちどころに診断がつくという。彼が提唱し名前をつけた新たな遺伝性疾患というのもある。 で、うちではないけど、そこの医師のところの患者さんをエクソームシークエンスする機会があったようだが、なんかね、診断間違ってるのが結構あったみたい(笑)。その医師がすごくまれな〇〇病だ〜なんてしてたのが、すでによく知られてるほかの遺伝病の原因遺伝子上の遺伝子変異(場所自体は新規)が同定されちゃったりとか。 全ゲノムシークエンスって怖いですね。 研究でそういったことがわかったからとい

    ちょっとしたこと - aggren0xの日記
  • 放射線によるがんリスク上昇について - aggren0xの日記

    放射線を累積1シーベルト浴びると、がんのリスクが1.5倍になるらしい。現代に生きる日人ならばもはや誰もが知っている(多分)。 で、これってどういう意味なんだろうか。というか、あなたにとってどういう意味がある数値なのか。あなたは多量の放射線を浴びたとする。あなたはがんになるのだろうか?1.5ってなんですか? がんのリスクは集団という文脈において捉えられがちだ(そしてそれは、正しい)。しかし当に知りたいのは個人のリスクだと思わないだろうか?「日人集団のがんの発症数が1.5倍になる」かどうかなんて、どうでもいい、とまでは言わないが興味の中心ではない。当は、あなたが、あるいはあなたの家族、恋人、友人が、がんになるかどうかを知りたいんじゃないだろうか? ここでは、放射線による「リスク」の個人という視点からの意味について考えてみたい*1。 で、あなたは将来がんになるのか? あなたはがんになるの

    放射線によるがんリスク上昇について - aggren0xの日記
  • ゲノム研究から見た血液型占い - aggren0xの日記

    血液型占いはあたるかどうか、という話。まあもちろん「あたりませんよ」と言いたいわけだが、その根拠についての話である。まあ赤子の手をひねるような話ではあるが、こういうつまらない話は例によってウケは悪いのでしょうが・・・ 血液型は、ヒトゲノム上の遺伝子によって決定される 血液型というのはヒトゲノムによって決定されるものである。正確には、ゲノムDNA上にコードされているのは糖転移酵素で、赤血球上のH抗原をA抗原に変えるタイプの転移酵素と、B抗原に変える酵素と、酵素の機能が失われているためH抗原のままおかれるタイプが、遺伝子レベルでコードされている。ヒトによって、ゲノム上に持っている酵素のタイプが異なり、これがA、B、Oの血液型の原因となる。たとえば遺伝子型AOというのは、片親由来の染色体上にAに変える抗原を持っているが、もう片親由来の染色体上の酵素は機能が失われている。結果としては、Aに変える酵

    ゲノム研究から見た血液型占い - aggren0xの日記
  • 才能を予測する遺伝因子について(3) - aggren0xの日記

    才能占い(前日の報道に関連したブクマでこの言葉を知った)の実際の効果の検証に入る前に、まずもっと科学的に確立している分野、病気の発症を予測するゲノム情報について、どういったものか、どのような影響を与えるのか解説する。 ゲノム研究が明らかにした、遺伝因子がヒトに与える影響について ゲノムを調べたら、実際何がわかるのか。まず、加齢黄斑変性症(Age-related Macular Degeneration, AMD)というあまり馴染みのない病気を例に説明する*1。とはいっても白人では65歳以上で10%程度が罹患するほどのきわめて一般的な病気だ。加齢黄斑変性症のゲノム研究は複数あるが、ここではWei Chenらによる年4月の論文をとりあげる*2。ちなみにサンプルは基的に白人である。 「オッズ比」とは何か この研究によると、最も加齢黄斑変性症のリスクと関係する1番染色体CFH遺伝子上のrs10

    才能を予測する遺伝因子について(3) - aggren0xの日記
  • 才能を予測する遺伝因子について、番外編 人類遺伝学会の声明について - aggren0xの日記

    そういえばこのはてなダイアリーに、一般の方向けの記事を書き始めたのは、友人が件の「才能予測」の中国のサービスに6万円とかいう金額を払ったと聞いて、多少僕も啓蒙とかいうもんをしなきゃならんなあと決意したところから始まった「才能を予測する遺伝因子について」という一連の、といってもまだ2編しか書いてないけど、記事からなのだった。 人類遺伝学会で動きがあるのは知っていたのですが、日声明文として出されたようだ。口の中を綿棒でぬぐって送れば子供の性格や才能がわかる!それにもとづいて子供を教育すればオーダーメイド英才教育ができるぞ!的なサービスについての見解です。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101028-00000167-yom-sci 人類遺伝学会サイトにはまだでてないけど。公式声明文をはやく読みたいものだ。 読売新聞に掲載された見解をみても、なんだ

    才能を予測する遺伝因子について、番外編 人類遺伝学会の声明について - aggren0xの日記
  • 日本人ゲノム(1) - aggren0xの日記

    人ゲノムが解読された。幸いニュース報道にはなっているようだ。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101025-00000003-jij-soci http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2769507/6367918 AFPBBは今回の用語の使い方はしっかりしている。ところで今回の報道を見てわかるとおり、最初に解読されたアジア人のゲノムは韓国、次が中国であった。今回の解読はこれまでに読まれた他人種ゲノムとは違い、次世代シークエンス技術を主に用いている。 今回、論文を読んでまとめてみる。読者のことを想定し、最初にこの解読のもたらす意味を考えてみる。 日人ゲノム解読の意味とは 通常遺伝学的な準備的解析、特に大規模プロジェクトが何を意味しているのかと

    日本人ゲノム(1) - aggren0xの日記
  • ホメオパシーに関する戯言 - aggren0xの日記

    ホメオパシーの批判が喧しい。・・・と書いても、医師であり遺伝学者でもある私はこれについては当然賛成である。批判者はLancet2005メタ解析とお経のように繰り返しているんだけれども、これも当然で、あの10,000人規模のホメオパシーの効果判定試験を超えるホメオパシーの評価というのは、今後なかなか行われないだろう(「効果が劣らないことを証明する試験」というのもあって、その場合サンプル数がもっと必要になるが、これはそうではないことにも注意が必要と思う。あくまでホメオパシーが偽薬に優越することは証明できなかった、いっぽうそれと対応するように選ばれた同じ疾患に同等の患者群を用いた現代医療は偽薬に優越していることが証明できたという試験である。この後者の理解も重要。プラセボと同等だからいい、わけではないのだ。だってホメオパシーには存在しない、プラセボより効果がある薬を現代医療は持っているわけだから。

    ホメオパシーに関する戯言 - aggren0xの日記
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