(CNN) サバンナに生息する野生のヒヒは、群れの中で最も序列の高いボスの方が下位のオスより強いストレスを感じている――。米プリンストン大学の研究チームがそんな調査結果を科学誌サイエンスに発表した。 それによると、ヒヒの群れのボスはエサを食べるのも交尾するのも最優先で、群れの中に繁殖期のメスがいれば、そのメスと交尾する。しかし下位のオスに比べてけんかや求愛行動の頻度も高いために相当の活力を奪われ、それがストレスホルモンのレベル上昇につながっているという。 プリンストン大学の研究者は「メスが繁殖期に入ると、ボスはそのあとを付いて歩くのに忙しくなり、十分な量を食べることもできなくなる」「そのメスと交尾しようとするほかのオスは押しのけなければならない」と解説する。 さらに、ボスの地位から転落するかもしれないというストレスにもさらされる。「トップに上り詰めれば、あとは落ちるしかない」(同研究者)。